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この科目の攻略方針
択一式「労働者災害補償保険法」は10問のうち問1〜7が労災保険法、問8〜10が労働保険徴収法である。選択式は労災保険法単独で1問(空欄A〜E)。選択式は最高裁判例・施行規則の数字からの出題が多く、R7は基準点が2点に補正されたほど難しかった。択一式は「通達・認定基準の事例問題」と「条文の数字」の二本立てで、個数問題・組合せ問題の比率が高い。
| 年度 | 問 | 論点 |
| R8 | 選A | 遺族補償一時金(失権差額)1,000日分 |
| 選B | 複数事業労働者の給付基礎日額(日給制の最低保障を含む計算) |
| 選C | 業務起因性の判例「事業主の支配下」 |
| 選D・E | 障害等級の併合繰上げ(9級+13級→8級、額は合算の492日分) |
| 択1 | 業務災害の事例(慰安旅行・出張・帽子・療養中の転倒・地震避難)個数 |
| 択2 | 給付基礎日額の特例(私傷病休業・じん肺・船員) |
| 択3・4 | 通則(未支給・内払・第三者行為・充当)/精神障害認定基準(セクハラ) |
| 択5〜7 | 特別支給金/複数業務要因災害/家事従事者と特別加入 |
| R7 | 選A・B | 遺族の「障害の状態」(第5級以上・労働が高度の制限) |
| 選C | 長期家族介護者援護金(10年以上) |
| 選D・E | 労災就学援護費の判例(補完・労働基準監督署長の処分性) |
| 択1・2 | 適用(出向・派遣・就労継続支援・インターンシップ)/業務災害の事例 個数 |
| 択3・4・5 | 脳・心臓疾患認定基準/休業補償給付/介護補償給付 |
| 択6・7 | 二次健康診断等給付/特定フリーランス事業の特別加入団体 |
| R6 | 選A・B | 障害等級の併合繰上げ(第8級以上・第5級以上) |
| 選C・D | 年金の支給期間(月の翌月)/未支給(自己の名で) |
| 選E | 遺族補償年金と損益相殺の判例(被扶養利益の喪失) |
| 択1・2 | 通勤の逸脱・中断(規則8条)/通勤災害の事例 |
| 択3・4・5 | 精神障害認定基準 個数/複数事業労働者の休業・平均賃金/遺族補償年金の失権 個数 |
| 択6・7 | 海外派遣の特別加入(C又はDの複数正解)/支給制限・受給権保護 組合せ |
学習の優先順位
- 業務災害・通勤災害の認定(事例問題が毎年1〜3問。通達の結論を「なぜそうなるか」の理屈とセットで覚える)
- 複数事業労働者・給付基礎日額(R6・R8で計算・算定方法が連続出題。令和2年改正の新制度は今後も狙われる)
- 障害・遺族の数字(併合繰上げ、日数表、遺族の年齢要件・失権事由は選択式の定番)
- 通則と支給制限(9条・11条・12条・12条の2の2〜12条の5は条文そのまま出る)
- 認定基準(精神・脳心臓)と特別加入(通達の細部。深追いせず、改正点と頻出フレーズに絞る)
1
目的・適用事業・適用労働者
R7択1・R8択7
目的と保険給付の4本柱
労災保険は政府が管掌し2条、業務災害・複数業務要因災害・通勤災害に関する保険給付と二次健康診断等給付を行う7条1項。あわせて社会復帰促進等事業を行うことができる2条の2。
第一条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、……労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
適用事業と適用除外
労働者を1人でも使用する事業は当然に適用事業となる3条1項。ただし国の直営事業と、官公署の事業(労基法別表第一に掲げる事業を除く)には適用しない3条2項。地方公務員のうち地方公務員災害補償法が適用される者(常勤職員・臨時的任用職員など)も労災保険の対象外となる。なお暫定任意適用事業(個人経営の小規模な農林水産業)は整備法等による例外である。
第三条(2)前項の規定にかかわらず、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)別表第一に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない。
「労働者」の判断(通達の整理)
| 形態 | どの保険関係で保護されるか |
| 派遣労働者 | 派遣元事業の保険関係(派遣元が事業主) |
| 在籍型出向 | 出向先で労働関係の実態があれば出向先の保険関係。実態で判断し、「常に」どちらかとは決まらない |
| 就労継続支援事業の障害者 | 雇用契約を結ぶA型は労働者として適用。雇用契約のないB型は原則適用なし |
| インターンシップ | 見学・体験が原則だが、直接生産活動に従事し使用従属関係があれば労働者として適用 |
| 家事使用人 | 労基法の適用除外で労災保険も適用なし。家事代行サービス事業者に雇用されて私家庭で働く者は、その事業者の労働者として適用 |
ひっかけ注意:「常に出向先」「雇用契約の有無にかかわらず」「適用されることはない」「勤務の態様にかかわらず」など、断定表現は疑う。通達は実態判断が原則である(R7択1はこの型で4肢が誤り)。
2
業務災害の認定と認定基準
R6択3・R7択2・R7択3・R8選C・R8択1・R8択4
業務遂行性と業務起因性
業務災害とは「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」である7条1項1号。業務上かどうかは、①事業主の支配下にある状態で(業務遂行性)、②業務に内在する危険が現実化したといえるか(業務起因性)で判断する。最高裁は通勤途上の災害について次のように述べている(R8選択式C)。
(最高裁判例)労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある状態において当該災害が発生したことが必要であると解するのが相当である。……通勤途上において発生した災害は、……使用者の提供した専用の交通機関を利用していた場合、又は通勤の途中で業務を行うことを予定していた場合等、……特別の事情がある場合を除き、業務上の事由によるものということはできない。
事例の結論(過去問に出たもの)
| 事例 | 結論 | 理由の骨格 |
| 休日に緊急呼び出しを受け自宅から現場へ向かう途中の転倒 | 業務災害 | 突発的事故への緊急出動は業務命令にもとづく移動 |
| 出張で自宅から直接用務地へ向かう途中の事故 | 業務災害 | 出張は全過程が事業主の支配下(積極的な私的行為を除く) |
| 命令による技能検定受検中の実技起因の負傷 | 業務災害 | 出張命令による受検は業務 |
| 山岳地の作業中、退避移動中の落雷 | 業務災害 | 作業環境に内在する危険の現実化 |
| シートかけ直し中に飛ばされた帽子を追って轢かれた | 業務災害 | 業務に付随する行為(反射的行為) |
| 業務上の骨折の療養(医師指示の歩行練習)中の別部位の骨折 | 業務災害 | 業務上傷病の療養に伴う災害 |
| 作業中に地震が起き、避難しようとして負傷 | 業務災害 | 作業中の緊急避難は業務付随行為 |
| 自費・任意参加の慰安旅行中の事故 | 業務外 | 参加が強制されず事業主の支配下にない |
| 休日、2駅離れた社宅で延焼防止作業中の感電死 | 業務外 | 休日の私生活上の行為 |
| バスのストで反対方向の駅へ向かう退勤途中の事故 | 通勤災害(業務災害ではない) | 住居と就業場所の往復 |
精神障害の認定基準(令和5年9月1日 基発0901第2号)
- 対象疾病はICD-10第V章の精神障害。ただし器質性のもの・有害物質(アルコール・薬物等)に起因するものは除く。
- 発病前おおむね6か月の業務による強い心理的負荷を評価する。
- 既に発病している者の悪化:特別な出来事があり、その後おおむね6か月以内に著しく悪化したときは悪化部分を業務起因とする。令和5年改正で、特別な出来事がなくても、悪化前おおむね6か月以内の強い心理的負荷で自然経過を超えて著しく悪化したと精神医学的に判断されれば、悪化部分に業務起因性を認める。
- 業務上の精神障害による自殺は、正常な認識・行為選択能力等が著しく阻害された状態と推定し業務起因性を認める。
- セクハラ:相談が遅れた・初診時に申し立てていないことは心理的負荷が弱い理由にならない。優越的立場は負荷を強める。胸や腰への身体接触を含むセクハラの継続は「強」(「特別な出来事」は本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為等)。身体接触のない発言のみで継続していなければ「中」。
脳・心臓疾患の認定基準(令和3年9月14日 基発0914第1号)
- 「特に過重な業務」の比較対象となる日常業務は、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう(36協定の延長時間内の業務は含まない)。
- 負荷要因の勤務間インターバルはおおむね11時間未満の勤務の有無・時間数・頻度・連続性を検討する。
- 作業環境(温度・騒音)は長期間の過重業務では付加的評価、短期間の過重業務では他の要因と同様に十分検討する。
- 器質的心疾患があっても、業務による負荷で自然経過を超えて著しく重篤化したと認められれば業務起因性を認める余地がある。
- 複数業務要因災害では、異なる事業の労働時間を通算して評価する。
ここが出る:認定基準は「令和5年改正(精神)」「令和3年改正(脳心臓)」で変わった点が狙われる。精神は「特別な出来事がなくても悪化を認める」、脳心臓は「インターバル11時間」「労働時間以外の負荷要因の総合評価」。
ひっかけ注意:数字の入れ替え(11時間→9時間)、「認められることはない」という全否定、対象疾病への「アルコール・薬物」の紛れ込みが定番。
3
通勤災害
R6択1・R6択2
通勤の定義
第七条(2)前項第三号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
一 住居と就業の場所との間の往復
二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
三 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
業務の性質を有する移動(事業主提供の専用交通機関での通勤、緊急呼び出し等)は通勤ではなく業務災害として扱う。また事業場施設内(退勤打刻後の階段など)の災害は事業主の支配管理下にあるので業務災害として判断され、通勤災害にはならない。
逸脱・中断
第七条(3)労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第一項第三号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
| 施行規則8条の日常生活上必要な行為 | 例 |
| 1 日用品の購入その他これに準ずる行為 | 惣菜の購入、クリーニング店への立寄り |
| 2 職業訓練、学校教育法の学校での教育等の受講 | 職業能力開発校での訓練 |
| 3 選挙権の行使その他これに準ずる行為 | 投票 |
| 4 病院・診療所での診察・治療その他これに準ずる行為 | はり師・きゅう師の施術も含む(通達) |
| 5 要介護状態の家族の介護(継続的・反復的なもの) | 配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・配偶者の父母 |
ここが出る:経路近くの公衆トイレ使用、経路上の売店でのたばこ購入などの「ささいな行為」は、そもそも逸脱・中断に当たらない。規則8条の列挙に「含まれない」のはこのためである(R6択1の正解A)。
住居と就業の場所
- 家族の看護のため病院に寝泊まりしている場合など、就業のための拠点として継続的に使っている場所は「住居」と認められる。
- 同一方向にある配偶者の勤務先を経由するなど、多少遠回りでも社会通念上合理的な経路は通勤の経路に当たる。
- 打刻後に忘れ物・消し忘れで駐車場(事業場外)へ戻る途中の事故も、就業との関連性が保たれていれば通勤災害となりうる。
- 通勤途上の急性心不全などの私病は、通勤による(通勤に内在する危険の現実化)とはいえず通勤災害にならない。
ひっかけ注意:逸脱・中断の「間」は保護されない。ただし書に当たる場合でも、合理的な経路に復した後だけが通勤となる。
| 通勤災害の数字 | 内容 |
| 一部負担金 | 療養給付を受ける者から200円を超えない範囲で省令で定める額(原則200円)31条2項。休業給付の初回分から控除 |
| 待期3日間 | 業務災害と違い、事業主の休業補償義務(労基法76条)はない |
4
給付基礎日額とスライド
R7択4・R8選B・R8択2
原則は平均賃金
第八条 給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額とする。この場合において、同条第一項の平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、……負傷若しくは死亡の原因である事故が発生した日又は診断によつて……疾病の発生が確定した日(以下「算定事由発生日」という。)とする。
(2)労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額を給付基礎日額とすることが適当でないと認められるときは、……厚生労働省令で定めるところによつて政府が算定する額を給付基礎日額とする。
施行規則9条の特例(R8択2)
| 場面 | 取扱い |
| 算定期間中に私傷病の療養で休業した期間がある | その期間と賃金を除いて算定した額の方が高ければその額を用いる(通達により親族の看護のための休業も同様に扱われる) |
| じん肺 | 粉じん作業以外の作業に常時従事することとなった日を算定事由発生日とみなして算定した額の方が高ければその額 |
| 1年を通じて船員として使用される者で、乗船・下船で固定給が変動する | 算定事由発生日以前1年間で算定した平均賃金相当額 |
| 最低保障 | 自動変更対象額(毎年8月1日以後改定)を下回るときはその額 |
スライドと年齢階層別限度額
| 区分 | スライド | 年齢階層別の最低・最高限度額 |
| 休業給付基礎日額 | 四半期ごとの平均給与額が110%超・90%未満に変動したら、翌々四半期から改定8条の2第1項 | 療養開始後1年6か月を経過した日以後に適用8条の2第2項 |
| 年金給付基礎日額 | 算定事由発生日の属する年度の翌々年度8月以後、毎年度の平均給与額の変動で改定8条の3 | 年金の支給開始当初から適用 |
| 一時金 | 年金のスライドを準用8条の4 | 適用なし |
給付基礎日額に1円未満の端数があるときは1円に切り上げる8条の5。
ひっかけ注意:休業給付基礎日額に年齢階層別限度額が適用されるのは「1年6か月経過後」(3年ではない)。基準日は支給事由が生じた日の属する四半期の初日における年齢である。
5
複数事業労働者・複数業務要因災害
R6択4・R8選B・R8択6
令和2年改正の2本柱
令和2年9月1日施行の改正で、①複数事業労働者の給付基礎日額を全就業先の賃金を合算して算定すること8条3項、②二以上の事業の業務上の負荷を総合評価して労災認定する「複数業務要因災害」7条1項2号が導入された。
第八条(3)前二項の規定にかかわらず、複数事業労働者の業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は複数事業労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡により、……保険給付を行う場合における給付基礎日額は、前二項に定めるところにより当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎として、厚生労働省令で定めるところによつて政府が算定する額とする。
計算例(R8選択式B)
| 事業 | 直近3か月の賃金 | 平均賃金相当額 |
| Y社(月給30万円) | 900,000円 | 900,000円÷90日=10,000円 |
| Z社(日給1万円×月12日) | 360,000円(36日) | 原則 360,000円÷90日=4,000円/最低保障 360,000円÷36日×60%=6,000円 → 高い方の6,000円 |
| 合算 | 16,000円 |
複数業務要因災害のルール
- 一つの事業場の負荷だけで業務起因性が認められる場合は、業務災害として扱う(複数業務要因災害は「前号に掲げるものを除く」7条1項2号)。
- 複数業務要因災害では、いずれの事業主も労基法上の災害補償責任を負わない。したがって休業最初の3日間の休業補償義務も、労基法19条の解雇制限もない。
- 複数事業労働者傷病年金には打切補償のみなし規定(19条)が準用されていない20条の8第2項。
- 複数事業労働者に当たるかは、傷病等が生じた時点(またはその原因・要因となる事由が生じた時点)で事業主が同一人でない2以上の事業に使用されていたかで判断する。
- 複数の事業・作業で特別加入している者も「複数事業労働者に類する者」として対象となりうる。
休業補償給付の三要件(R6択4)
一方の事業場で就労していても、他方の事業場で通院のため労働できなければ「労働することができない」に当たりうる。一部の事業場で年休等により平均賃金相当額の60%以上を受けていても、他の事業場で無給休業していれば「賃金を受けない日」に当たりうる。遅発性疾病で災害発生事業場を離職している場合は、離職日以前3か月の賃金を基礎に診断確定日までの賃金水準の変動を考慮して算定する。
ここが出る:合算は「事業ごとに算定した額(各事業の最低保障を含む)の合計」。単純に賃金総額を合計して割るのではない点が計算問題の分かれ目になる。
ひっかけ注意:「一つの事業場で単独で因果関係が認められる場合も複数業務要因災害」は誤り。その場合は業務災害であり、給付基礎日額は合算するが、事業主の労基法上の責任は残る。
6
療養・休業・傷病補償年金
R6択7・R7択4
療養補償給付
原則は療養の給付(現物)で、困難な場合等は療養の費用を支給する13条。範囲は診察、薬剤・治療材料、処置・手術、居宅療養の管理・看護、入院・看護、移送(政府が必要と認めるものに限る)。
休業補償給付
第十四条 休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。
| 項目 | 内容 |
| 待期 | 3日(通算で可)。業務災害の待期中は事業主が労基法76条の休業補償(平均賃金の60%)を行う |
| 額 | 給付基礎日額の60%+休業特別支給金20% |
| 部分算定日 | (給付基礎日額−支払われた賃金)×60% |
| 障害厚生年金等との併給 | 政令の調整率(傷病補償年金について定める率)を乗じる。下回るときは政令で定める額を保障14条2項 |
| 支給されない場合 | 刑事施設・労役場等に拘禁、少年院等に収容されている場合(省令で定める場合)14条の2 |
| 懲戒の出勤停止中 | 療養のため労働不能で賃金を受けなければ支給される(通達) |
傷病補償年金
第十二条の八(3)傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつたときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。一 当該負傷又は疾病が治つていないこと。二 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
| 傷病等級 | 年金額(給付基礎日額の) |
| 第1級 | 313日分 |
| 第2級 | 277日分 |
| 第3級 | 245日分 |
- 傷病補償年金は請求によらず政府の職権で支給決定する(12条の8第2項の「請求に基づいて」の対象外)。受給者には休業補償給付を行わない18条2項。
- 療養開始後3年経過日に傷病補償年金を受けている(またはその後受けることとなった)ときは、労基法81条の打切補償を支払ったものとみなし、解雇制限が解除される19条。
ひっかけ注意:傷病補償年金の要件は「1年6か月」、打切補償のみなしは「3年」。数字を入れ替える肢が多い。
7
障害補償給付・介護補償給付
R6選A・B・R8選D・E・R7択5
障害等級と給付額
| 等級 | 種類 | 給付基礎日額の |
| 1〜7級 | 障害補償年金 | 1級313・2級277・3級245・4級213・5級184・6級156・7級131日分 |
| 8〜14級 | 障害補償一時金 | 8級503・9級391・10級302・11級223・12級156・13級101・14級56日分 |
併合と繰上げ(施行規則14条)
| 身体障害が2以上あるとき | 取扱い |
| 原則 | 重い方の障害等級 |
| 第13級以上が2以上 | 重い方を1級繰上げ |
| 第8級以上が2以上 | 重い方を2級繰上げ |
| 第5級以上が2以上 | 重い方を3級繰上げ |
| 繰上げ後が一時金で、額が各等級の額の合算額を超えるとき | 合算額とする(例:9級391+13級101=492日分。8級503日分ではない) |
既に障害があった者が同一部位の障害を加重した場合、加重後の等級の額から既存障害の等級の額を差し引いた額を支給する(年金の場合は日数の差)。障害の程度が変わったときは変更後の等級で支給する15条の2。
介護補償給付
第十二条の八(4)介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、……厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、……行う。一 障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限る。)……三 病院又は診療所に入院している間
- 対象は障害補償年金・傷病補償年金の受給者のみ(一時金受給者・療養補償給付のみの者は対象外)。障害の程度は障害・傷病等級1級(一部2級)の所定の障害。
- 月単位で支給し、月額は常時・随時の区分ごとに厚生労働大臣が定める19条の2。費用を支出して介護を受けた日がなく親族等の介護を受けた日があるときは、区分に応じた定額となる。
- 両眼失明(第1級)であることだけで常時介護を要する状態に当たるわけではない。
ひっかけ注意:入院中・生活介護を受ける障害者支援施設入所中は支給されない。「加齢により要介護になった一時金受給者」も対象外。
8
遺族補償給付・葬祭料
R6選E・R6択5・R7選A・B・R8選A
遺族補償年金の受給資格者
第十六条の二 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものとする。ただし、妻……以外の者にあつては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。一 夫……、父母又は祖父母については、六十歳以上であること。二 子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること。三 兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること又は六十歳以上であること。四 前三号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。
「障害の状態」は、障害等級第5級以上の障害がある状態、または傷病が治らず身体の機能・精神に労働が高度の制限を受けるか、労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である(施行規則15条、R7選択式A・B)。妻だけは年齢・障害の要件がない。順位は配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹16条の2第3項。なお55歳以上60歳未満の夫・父母・祖父母・兄弟姉妹は附則により受給資格者となるが、60歳に達するまで支給停止(若年停止)される。
| 遺族の数(受給権者と生計同一の受給資格者を含む) | 年金額(給付基礎日額の) |
| 1人 | 153日分(55歳以上または障害の状態の妻は175日分) |
| 2人 | 201日分 |
| 3人 | 223日分 |
| 4人以上 | 245日分 |
失権事由(16条の4)
- 死亡したとき
- 婚姻(事実婚を含む)をしたとき
- 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(事実上の養子を含む)となったとき
- 離縁により死亡労働者との親族関係が終了したとき
- 子・孫・兄弟姉妹が18歳年度末を終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き障害の状態にあるときを除く)
- 障害の状態で受給資格者となった者の事情がなくなったとき(年齢要件を満たす場合を除く)
先順位者が失権すると次順位者に移る(転給)。
遺族補償一時金
| 支給する場合16条の6 | 額 |
| 死亡当時、年金の受給資格者がいない | 給付基礎日額の1,000日分 |
| 年金受給権者が全員失権し、既支給の年金合計額が1,000日分に満たない | 1,000日分との差額 |
一時金の受給順位は①配偶者、②生計維持の子・父母・孫・祖父母、③それ以外の子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹16条の7。
欠格(16条の9)と葬祭料
労働者を故意に死亡させた者は遺族補償給付を受けることができる遺族としない(重大な過失は欠格事由ではない)。葬祭料は通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額17条で、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が60日分に満たないときは60日分)とされている。
判例:遺族補償年金と損益相殺(R6選択式E)
(最高裁大法廷判決)遺族補償年金は、労働者の死亡による遺族の被扶養利益の喪失を塡補することを目的とするものであって、……損害賠償額を算定するに当たり、……逸失利益等の消極損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。
ここが出る:前払一時金は給付基礎日額の200・400・600・800・1,000日分から選ぶ。失権差額一時金の基準も1,000日分。この「1,000」は選択式で繰り返し問われる。
ひっかけ注意:18歳年度末の失権には「障害の状態にある場合を除く」が付く。これを落とした肢は誤りになる(R6択5のエ・オ)。
9
保険給付の通則と支給制限
R6選C・D・R6択7・R8択3
年金の支給期間と支払期月
第九条 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。(2)……支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。(3)年金たる保険給付は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。
未支給の保険給付
第十一条 ……その者の配偶者……、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの……は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
(4)未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
内払・充当
| 条文 | 場面 | 効果 |
| 12条1項 | 支給停止すべき期間の分が支払われた/減額改定すべき月の翌月以後に減額しない額が支払われた | その後の年金の内払とみなすことができる |
| 12条2項 | 同一傷病で乙年金が消滅し甲年金へ移行したのに乙年金が支払われた | 甲年金の内払とみなす |
| 12条3項 | 休業補償給付から障害補償給付・傷病補償年金へ移行後も休業補償給付が支払われた | 移行後の給付の内払とみなす |
| 12条の2 | 年金受給権者の死亡後に翌月以後の分が過誤払された | 返還すべき者に支払う保険給付を返還金債権に充当できる |
支給制限(12条の2の2)
| 原因 | 効果 |
| 故意に負傷・疾病・障害・死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせた | 保険給付を行わない(絶対的) |
| 故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示違反 | 全部又は一部を行わないことができる(相対的) |
不正受給・第三者行為・受給権保護
- 不正受給は受給者本人から費用相当額の全部又は一部を徴収できる。事業主が虚偽の報告・証明をした場合に限り、事業主に連帯納付を命じられる12条の3。
- 第三者行為災害:政府が保険給付をしたときは給付の価額の限度で損害賠償請求権を取得(求償)。先に第三者から損害賠償を受けたときは、その価額の限度で保険給付をしないことができる(控除)12条の4。
- 保険給付を受ける権利は退職によって変更されない。譲渡・担保・差押え禁止、公課禁止12条の5・12条の6。
第十二条の四 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
(2)前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
ひっかけ注意:「損害賠償を受けたとき→政府が請求権を取得」は1項と2項の混同で誤り。また遺族の欠格は「故意」のみで、「重大な過失により死亡させた」は欠格にならない。
10
二次健康診断等給付・社会復帰促進等事業・特別支給金
R7選C・D・E・R7択6・R8択5
二次健康診断等給付(26条)
第二十六条 二次健康診断等給付は、労働安全衛生法……第六十六条第一項の規定による健康診断……のうち、直近のもの(……「一次健康診断」という。)において、血圧検査、血液検査その他……厚生労働省令で定めるものが行われた場合において、当該検査を受けた労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに、当該労働者(……既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められるものを除く。)に対し、その請求に基づいて行う。
| 項目 | 内容 |
| 二次健康診断 | 1年度につき1回に限る |
| 特定保健指導 | 二次健康診断ごとに1回、医師又は保健師の面接による(栄養・運動・生活指導) |
| 事業者への結果提出 | 実施日から3か月を超えない省令の期間内(施行規則で3か月)に提出すれば、安衛法の意見聴取の対象となる27条 |
| 対象外 | 特別加入者、既に脳・心臓疾患の症状を有する者 |
| 実施機関 | 都道府県労働局長が指定する病院・診療所 |
社会復帰促進等事業(29条)
①社会復帰促進(施設の設置運営等)、②被災労働者等援護(療養生活・介護・遺族の就学の援護、資金の貸付け等)、③安全衛生確保等(災害防止、健康診断施設、賃金の支払の確保等)の3種。労災就学援護費、長期家族介護者援護金(傷病・障害の1級・2級の年金を10年以上受けていた者の遺族のうち要件を満たす者)などがこれに当たる。
(最高裁判例・労災就学援護費)法は、……保険給付を補完するために、労働福祉事業として、保険給付と同様の手続により、被災労働者又はその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる旨を規定している……。労働基準監督署長の行う労災就学援護費の支給又は不支給の決定は、……抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
特別支給金(特別支給金支給規則)
| 種類 | 額 | 申請期限 |
| 休業特別支給金 | 休業給付基礎日額の20% | 2年(休業補償給付の請求と同時に行うのが原則) |
| 障害特別支給金 | 定額(1級342万円〜14級8万円) | 治った日の翌日から5年 |
| 遺族特別支給金 | 定額300万円(人数で等分) | 死亡日の翌日から5年 |
| 傷病特別支給金 | 定額(1級114万円・2級107万円・3級100万円) | — |
| 障害・遺族・傷病特別年金、障害・遺族特別一時金 | ボーナスを基礎とする算定基礎日額で計算(例:遺族特別年金は153〜245日分) | — |
- 特別支給金は社会復帰促進等事業であり保険給付ではない。最高裁は、特別支給金を使用者の損害賠償額から控除できないとした。
- 遺族補償年金前払一時金の支給で遺族補償年金が支給停止されても、遺族特別年金は停止されない。
- 加重障害の障害特別支給金は、加重後の等級の額から既存障害の等級の額を差し引いた額。
ひっかけ注意:二次健診は「いずれかの項目」ではなく「いずれの項目にも」異常所見。遺族特別支給金は日数ではなく定額300万円。
11
特別加入
R6択6・R7択4・R7択7・R8択7
特別加入者の種類(33条)
| 区分 | 対象 | 加入の方法 |
| 第1種 | 中小事業主(労働保険事務組合に事務委託)とその家族従事者等(1号・2号) | 事業主が包括して申請し政府の承認34条 |
| 第2種 | 一人親方等とその従事者(3号・4号)、特定作業従事者(5号) | 団体が申請し政府の承認。団体を適用事業・事業主とみなす35条 |
| 第3種 | 海外派遣者(6号・7号) | 派遣元の団体・事業主が申請し政府の承認36条 |
中小事業主の規模は、金融・保険・不動産・小売業50人以下、卸売・サービス業100人以下、その他300人以下(施行規則)。給付基礎日額は厚生労働大臣が定める額の中から選ぶ(3,500円〜25,000円。家内労働者等は低い額も選べる)。保険料滞納期間中の事故や、中小事業主の故意・重過失による事故は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる34条1項4号。
一人親方等・特定作業従事者の広がり
- 令和6年11月から「特定フリーランス事業」(施行規則46条の17第12号)が一人親方等の対象に加わった。保険給付の事務は特別加入団体の主たる事務所の所在地を管轄する労働基準監督署長が行う。団体には研修(年1回以上)、請求書作成支援などが求められる。
- 家事使用人として個人家庭に直接雇用される家事支援従事者は、特定作業従事者(33条5号)として特別加入できる。
- 家事代行サービス事業者に雇用されて私家庭で働く者は、そもそも労働者として適用される。派遣先が私家庭でも派遣労働者は派遣元の労働者として適用される(33条7号の海外派遣とは別物)。
海外派遣者
- 派遣元事業との関係が転勤・在籍出向・移籍出向のいずれでも、派遣元の命令で海外の事業に従事し現実の労働関係をもつ限り加入資格に影響はない。
- 海外出張(国内事業場に所属し、その指揮に従って働く)は特別加入なしで当然に保護される。海外派遣(海外事業場に所属し、その指揮に従う)は特別加入が必要。勤務の実態で総合判断する。
- 派遣先国の労災保険から給付を受けても、日本の労災保険給付との調整は行わない。
ここが出る:特別加入者も、業務災害・複数業務要因災害・通勤災害(一部の一人親方等を除く)の保護を受ける。ただし二次健康診断等給付の対象外である。
ひっかけ注意:「派遣」という語で33条7号(海外派遣)と労働者派遣を混同させる肢がある(R8択7のオ)。
12
不服申立て・時効・雑則
R6〜R8出題なし(R7選Eが関連)
不服申立て
第三十八条 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。(2)前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日から三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
処分の取消しの訴えは、審査請求に対する審査官の決定を経た後でなければ提起できない(審査請求前置)40条。審査請求・再審査請求は、時効の完成猶予・更新については裁判上の請求とみなす38条3項。
時効(42条)
| 期間 | 給付 |
| 2年 | 療養・休業・葬祭料(葬祭給付)・介護・二次健康診断等給付(複数事業労働者・通勤災害の対応給付を含む) |
| 5年 | 障害補償給付・遺族補償給付(複数事業労働者・通勤災害の対応給付を含む) |
| — | 傷病補償年金は職権支給のため42条に規定がない |
その他
- 船舶・航空機の事故で生死が3か月わからない等の場合、事故日に死亡したものと推定する10条。
- 保険給付を受ける権利を有する者が正当な理由なく届出・書類提出や命令に従わないときは、支払を一時差し止めることができる47条の3。
- 期間計算は民法を準用、労災保険に関する書類には印紙税を課さない43条・44条。
ひっかけ注意:審査請求の「みなし棄却」は3か月。再審査請求にはこの規定がない。
過
過去問(令和6〜8年度)
選択式は労災保険法の全空欄、択一式は「労働者災害補償保険法」の問1〜7(問8〜10は徴収法のため別単元)。令和8年度は公式正答が未公表のため、条文・通達にもとづく解答を示す。
令和8年度(第58回)
選択 問2
テーマ:遺族補償一時金・給付基礎日額の合算・支配下・障害等級の併合繰上げ(選択肢は各空欄4択)1 遺族補償年金の受給権者が失権し、受給資格者も全て失格していた場合、既に支給された遺族補償年金の合計額が、失権日において給付基礎日額の[A]に満たないときは、その差額が遺族補償一時金として支給される。
2 XさんはY社(月給30万円)とZ社(日給1万円で月12日勤務)で就業している。8条3項にもとづき算出すると、直近3か月の暦日数が90日の場合の給付基礎日額は[B]となる。
3 最高裁:保険給付の対象となるには、労働者が労働契約に基づき事業主の[C]にある状態において災害が発生したことが必要であり、通勤途上の災害は、専用の交通機関を利用していた場合等、なお事業主の[C]に置かれていたと認めるべき特別の事情がある場合を除き、業務上の事由によるものとはいえない。
4 同一の業務災害で右手母指の亡失(第9級)と左手母指の指骨一部欠損(第13級)が生じた場合の障害等級は[D]となり、障害補償給付の額は給付基礎日額の[E]となる(8級503日分、9級391日分、10級302日分、11級223日分、12級156日分、13級101日分)。- A ①365日分 ②600日分 ③1,000日分 ④1,200日分
- B ①10,000円 ②14,000円 ③14,250円 ④16,000円
- C ①影響下 ②管理下 ③指示下 ④支配下
- D ①第8級 ②第9級 ③第10級 ④第11級
- E ①391日分 ②402日分 ③492日分 ④503日分
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解答:A③ B④ C④ D① E③公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答
A ③1,000日分失権差額一時金は、死亡当時に受給資格者がいなかった場合の遺族補償一時金(1,000日分)との差額である。16条の6第1項2号・別表第二
B ④16,000円Y社 900,000円÷90日=10,000円。Z社は原則 360,000円÷90日=4,000円だが、日給制の最低保障(360,000円÷36日×60%=6,000円)の方が高いので6,000円。事業ごとの額を合算して16,000円。8条3項・労基法12条1項1号
C ④支配下業務起因性の前提として事業主の支配下にあることを要するとした最高裁判例の文言。
D ①第8級第13級以上の障害が2以上あるので、重い方(第9級)を1級繰り上げて第8級。施行規則14条3項
E ③492日分繰り上げた第8級の503日分が、各等級の額の合算(391+101=492日分)を超えるため、合算額の492日分となる。施行規則14条3項ただし書
択一 問1
テーマ:業務災害の事例(業務災害として保険給付の対象となるものはいくつあるか)- ア 自費で任意参加の、常務取締役が引率する恒例の従業員慰安旅行中に、はしけが定員オーバーで沈没し溺死した場合
- イ 出張を命じられた労働者が、自宅から直接用務地に赴くため、通常の通勤でも使う駅へ自転車で向かう途上の踏切で転倒し、列車と衝突して死亡した場合
- ウ トラックの荷覆シートをかけ直した際、強風で飛ばされた運転手助手の防寒帽を追って国道に走り出た助手が乗用車に跳ねられ死亡した場合
- エ 業務上の右下腿骨骨折の処置として左下腿骨から骨移植片を採取し入院中、医師の指示による歩行練習で転倒し、抵抗力が減弱していた左下腿骨を骨折した場合
- オ 倉庫で積込作業中の労働者が、地震発生直後に身の安全を図るため急いで避難しようと倉庫から出るときに足を踏み外して負傷した場合
- A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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解答:D(四つ)公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文・通達にもとづく解答
×ア参加が任意・自費の慰安旅行は事業運営に必要な行事とはいえず、事業主の支配下にないので業務外。
○イ出張は用務先への往復を含め全過程が事業主の支配下にある。自宅から直接出発する場合も出張の過程として業務災害。
○ウ業務中に飛ばされた帽子を拾おうとする行為は業務に付随する行為であり、業務災害。
○エ業務上の傷病の療養(医師の指示による歩行練習)に伴って生じた負傷であり、業務上の傷病と相当因果関係がある。
○オ作業中の地震に際しての避難行為は業務に付随する行為であり、業務災害。
択一 問2
テーマ:8条2項による給付基礎日額の算定(誤っているものはどれか)- A 平均賃金の算定期間中に親族の疾病・負傷等の看護のため休業した場合で、平均賃金相当額(①)が、休業期間とその期間中の賃金を除いて算定した平均賃金相当額(②)に満たないときは、②の額を給付基礎日額とする。
- B 算定期間中に業務外の負傷・疾病の療養のため休業した場合には、①が②に満たないときでも、①の額を給付基礎日額とする。
- C じん肺の場合、粉じん作業以外の作業に常時従事することとなった日を算定事由発生日とみなして算定した額の方が高いときは、後者を給付基礎日額とする。
- D 1年を通じて船員として使用される者で、固定給が乗船中に乗船本給として増加する等の変動がある場合は、算定事由発生日以前1年間について算定した平均賃金相当額を給付基礎日額とする。
- E 1年を通じて船員として使用される者で、固定給が下船によりてい減する賃金を受ける場合は、以前1年間について算定した平均賃金相当額を給付基礎日額とする。
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解答:B(要確認)公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。施行規則9条・通達にもとづく解答。Aの看護休業の扱いは通達依拠のため要確認
○A親族の看護のための休業期間も、私傷病休業と同様に除外して算定した額の方が高ければその額による(通達)。
×B私傷病の療養による休業期間がある場合、②(除外して算定した額)が高ければ②を給付基礎日額とする。「①の額とする」は誤り。施行規則9条1項1号
○Cじん肺の特例。施行規則9条1項2号
○D1年を通じて船員として使用される者の特例。乗船・下船で固定給が変動する場合は1年間で算定する。施行規則9条
○E下船によりてい減する場合も同様に1年間で算定する。
択一 問3
テーマ:保険給付の通則(誤っているものはどれか)- A 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は全員に対してしたものとみなす。
- B 同一の傷病に関し、休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することとなり休業補償給付を行わないこととなった後も休業補償給付が支払われたときは、傷病補償年金の内払とみなす。
- C 第三者行為災害で、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、その者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
- D 遺族の数の減少により減額改定すべきであったのに、減少した月の翌月以後の分として減額しない額の遺族補償年金が支払われた場合、減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族補償年金の内払とみなすことができる。
- E 障害補償年金の受給権者の死亡後、翌月以後の分として過誤払が行われた場合、返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、その支払金の金額を返還金債権の金額に充当することができる。
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解答:C公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答
○A条文どおり。11条4項
○B条文どおり。12条3項
×C先に損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる(控除)。請求権を取得する(求償)のは政府が保険給付をしたときである。12条の4第1項・2項
○D減額改定すべき部分も内払とみなすことができる。12条1項後段
○E過誤払の充当。12条の2
択一 問4
テーマ:精神障害の認定基準・セクシュアルハラスメントの評価(誤っているものはどれか)- A 被害者がすぐに相談行動をとらないことは、心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にはならない。
- B 被害者が医療機関の初診時にセクハラの事実を申し立てていないことは、心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にはならない。
- C 行為者が雇用関係上、被害者に対して優越的な立場にある事実は心理的負荷を強める要素となり得る。
- D 胸や腰等への身体接触を含むセクハラが継続して行われた場合は、「特別な出来事」として評価する。
- E 身体接触のない性的な発言のみのセクハラであって、発言が継続していない場合、心理的負荷の強度は「中」と判断する。
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解答:D公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。認定基準にもとづく解答
○A認定基準の留意事項どおり。
○B同上。
○C同上。
×D身体接触を含むセクハラの継続は、業務による心理的負荷評価表の具体例で心理的負荷「強」とされる。「特別な出来事」は、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などに限られる。
○E発言のみで継続していない場合は「中」。
択一 問5
テーマ:特別支給金(正しいものはどれか)- A 遺族補償年金前払一時金の支給で遺族補償年金が支給停止された場合、遺族特別年金も支給停止される。
- B 遺族特別支給金の額は、遺族の人数に応じて、給付基礎日額の153日分から245日分である。
- C 最高裁判例によれば、被災労働者が受領した特別支給金は、使用者が支払う損害賠償額から控除することができる。
- D 既に身体障害のあった者が業務上の傷病により同一部位の障害を加重した場合の障害特別支給金の額は、現在の障害等級に応ずる額から既存障害の等級に応ずる額を差し引いた額による。
- E 障害特別支給金の申請は、治った日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。
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解答:D公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。特別支給金支給規則にもとづく解答
×A遺族特別年金は前払一時金による遺族補償年金の支給停止の影響を受けず、支給される。
×B遺族特別支給金は定額300万円(受給権者が複数なら等分)。153〜245日分は遺族特別年金(算定基礎日額)の話。
×C最高裁は、特別支給金は損害の塡補を目的とするものではないとして、損害賠償額から控除できないとした。
○D加重の場合は差額を支給する。
×E障害特別支給金の申請期限は5年以内。
択一 問6
テーマ:複数業務要因災害(誤っているものはどれか)- A 複数業務要因災害の場合、いずれの事業場の事業主も労働基準法上の災害補償責任を負わない。
- B 複数業務要因災害による休業には労基法19条1項の解雇制限の適用はないことから、複数事業労働者傷病年金には打切補償に係る19条は準用されない。
- C 複数事業労働者については、1つの事業場の業務上の負荷との間に単独で因果関係が認められるような傷病等の場合であっても、複数業務要因災害の対象となる。
- D 複数事業労働者に該当するか否かは、傷病等が生じた時点、又は傷病等の原因及び要因となる事由が生じた時点において、事業主が同一人でない2以上の事業に使用されていたか否かで判断される。
- E 複数の事業又は作業について特別加入している者は、複数業務要因災害に係る保険給付の対象となり得る。
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解答:C公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文・通達にもとづく解答
○A複数業務要因災害は各事業場単独では業務上といえないため、労基法上の補償責任は生じない。
○B20条の8第2項は18条・18条の2のみを準用し、19条を準用していない。20条の8第2項
×C1つの事業場の負荷だけで業務起因性が認められる場合は業務災害として扱う。複数業務要因災害は業務災害に当たらない場合に限られる。7条1項2号「前号に掲げるものを除く」
○D通達どおり。
○E「複数事業労働者に類する者」として省令で対象とされている。7条1項2号
択一 問7
テーマ:家事従事者への労災保険法の適用(正しいものの組合せはどれか)- ア 家事代行サービス事業者と雇用契約を締結し、同事業者から指定された私家庭で家事サービスを提供する場合、家事代行サービス事業者の労働者として労災保険法の適用を受ける。
- イ 家事使用人として私家庭と雇用契約を締結して家事サービスを提供する場合、33条5号の特定作業従事者として特別加入することができる。
- ウ 家事従事者紹介所の紹介・あっせんを受けて私家庭と雇用契約を締結する場合、家事従事者紹介所の労働者として労災保険法の適用を受ける。
- エ 家事代行サービス事業者として私家庭と請負契約を締結する場合、33条3号の一人親方等として特別加入することができる。
- オ 家事従事者派遣企業と私家庭との労働者派遣契約にもとづき私家庭に派遣される場合、33条7号の事業主が派遣する者として特別加入することができる。
- A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) D(ウとオ) E(エとオ)
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解答:A(アとイ)公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文・施行規則にもとづく解答
○ア家事代行サービス事業者が使用者であり、その労働者として適用される。
○イ個人家庭に直接雇用される家事使用人(家事支援従事者)は特定作業従事者として特別加入できる。33条5号・施行規則46条の18
×ウ紹介所は紹介・あっせんをするだけで使用者ではない。雇用主は私家庭であり、家事使用人は労基法・労災保険法の適用除外となる。
×エ私家庭(消費者)と請負契約を結んで家事サービスを行うことを、一人親方等の特別加入対象として一般的に認めた規定はない(特定フリーランス事業の対象範囲は細かな要件があり、無条件に「できる」とはいえない)。いずれにせよアとイが正しく、ウ・オが明らかに誤りのため、組合せはAに決まる。
×オ労働者派遣された者は派遣元(家事従事者派遣企業)の労働者として当然に適用される。33条7号は海外派遣者の規定であり無関係。
令和7年度(第57回)
選択 問2
テーマ:遺族の障害の状態・長期家族介護者援護金・労災就学援護費の判例1 施行規則15条は、「障害の状態は、身体に別表第1の障害等級の[A]に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、[B]が高度の制限を受けるか、若しくは[B]に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態とする。」と定めている。
2 施行規則36条1項は、「長期家族介護者援護金は、……第1級若しくは第2級の障害補償年金……又は……第1級若しくは第2級の傷病補償年金……を受けていた期間が[C]以上である者の遺族のうち、支援が必要な者として厚生労働省労働基準局長が定める要件を満たす者に対して、支給するものとする。」と規定している。
3 最高裁:法は、政府が法第3章の規定にもとづいて行う保険給付を[D]するために、労働福祉事業として……労災就学援護費を支給することができる旨を規定している。……具体的に支給を受けるためには、[E]に申請し、所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず、[E]の支給決定によって初めて具体的な支給請求権を取得する。……[E]の行う支給又は不支給の決定は、……抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。- ①3年 ②5年 ③7年 ④10年 ⑤確保 ⑥厚生労働大臣 ⑦第1級 ⑧第5級以上 ⑨第8級以上 ⑩第12級以上
- ⑪代替 ⑫都道府県労働局長 ⑬日常生活 ⑭日常生活又は社会生活 ⑮付加 ⑯補完 ⑰労働 ⑱労働基準監督署長 ⑲労働者災害補償保険審査官 ⑳労働又は社会生活
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正解:A⑧ B⑰ C④ D⑯ E⑱公式正答
A ⑧第5級以上遺族補償年金の受給資格となる障害の状態は障害等級第5級以上。施行規則15条
B ⑰労働「労働が高度の制限を受ける」。国民年金・厚生年金の障害等級の表現(日常生活)と混同しないこと。
C ④10年1級・2級の年金を10年以上受けていた者の遺族が対象。施行規則36条1項
D ⑯補完社会復帰促進等事業は保険給付を補完するもの。
E ⑱労働基準監督署長支給決定を行うのは労働基準監督署長であり、その決定は行政処分に当たる(最判 平成15年9月4日)。
択一 問1
テーマ:労災保険法の適用(正しいものはどれか)- A 在籍型出向の場合、当該労働者に係る労災保険給付は、常に出向先事業に係る保険関係によるものとされている。
- B 派遣労働者に係る労災保険給付は、常に派遣元事業に係る保険関係によるものとされている。
- C 障害者総合支援法の就労継続支援を行う事業場で就労する障害者は、雇用契約の締結の有無にかかわらず、労災保険法が適用される。
- D インターンシップの実習は見学や体験的なものが原則であるから、参加する学生に労災保険法が適用されることはない。
- E 育児休業を取得する公立小学校教諭の業務を処理するため臨時的任用された者には、その勤務の態様にかかわらず、労災保険法が適用される。
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正解:B公式正答
×A在籍型出向は、出向先で指揮命令を受け労働関係の実態があるかで判断する。「常に出向先」とは限らない(通達)。
○B派遣労働者は派遣元事業主が労災保険の事業主となり、派遣元の保険関係で給付される(通達)。
×C雇用契約を締結するA型の利用者は労働者として適用されるが、雇用契約のないB型は原則適用されない。
×D実習が直接生産活動に従事するなど使用従属関係が認められれば労働者として適用される(通達)。
×E臨時的任用職員は地方公務員災害補償法の適用を受けるため、労災保険法は適用されない。「勤務の態様にかかわらず」が誤り。
択一 問2
テーマ:業務災害の事例(業務災害として保険給付の対象となるものはいくつあるか)- ア 鉄道保線作業に従事する労働者が、休日に担当沿線で事故があったため使用者の呼び出しを受け、自宅から現場にかけつける途上でつまずいて転倒し負傷した場合
- イ 職場から2駅離れた社宅に居住する労働者が、休日に社宅付近で高圧電線のショートによる火災を目撃し、社宅への延焼防止作業中に高圧電線に接触して死亡した場合
- ウ 職務に関連する職種の技能検定を、出張命令を受けて受検した労働者が、実技試験中に当該実技に起因して負傷した場合
- エ 雷の発生頻度も高い山岳地区で植生盤の植付作業中、異様な天候で作業を中止し山頂の休憩小屋へ退避移動中に落雷の直撃を受けて死亡した場合
- オ 夜勤労働者が、私鉄バスのストライキによる運休のため、早朝、電車で帰宅するつもりでバス停と反対方向の駅に向かう途上で自動車にはねられ負傷した場合
- A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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正解:C(三つ)公式正答
○ア突発事故による緊急呼び出しで現場へ向かう移動は業務命令にもとづくもので、業務災害(通達)。
×イ休日に職場から離れた社宅で行った延焼防止作業は私生活上の行為であり、事業主の支配下にない。業務外。
○ウ出張命令による技能検定の受検は業務であり、実技起因の負傷は業務災害(通達)。
○エ落雷の危険が高い作業環境に内在する危険が現実化したものとして業務災害(通達)。
×オ退勤途上の災害であり、通勤災害として扱われる。業務災害ではない。
択一 問3
テーマ:脳・心臓疾患の認定基準(正しいものの組み合わせはどれか)- ア 「特に過重な業務」の比較対象となる日常業務には、36協定により延長することができる労働時間内に行う業務が含まれる。
- イ 勤務時間の不規則性の評価に当たり、勤務間インターバルがおおむね9時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討する。
- ウ 作業環境(温度環境、騒音)は、長期間の過重業務では付加的に評価するのに対し、短期間の過重業務では他の負荷要因と同様に十分検討する。
- エ 器質的心疾患を有する者が虚血性心疾患等を発症した場合については、業務と発症との関連が認められることはない。
- オ 複数業務要因災害による脳・心臓疾患の認定では、異なる事業における労働時間を通算して評価する。
- A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) D(ウとオ) E(エとオ)
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正解:D(ウとオ)公式正答
×ア日常業務とは、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう。36協定による延長時間内の業務は含まない。
×イ勤務間インターバルは「おおむね11時間未満」の勤務を検討する。
○ウ認定基準どおり。
×エ器質的心疾患があっても、業務による負荷で自然経過を超えて著しく重篤化した場合には業務と発症との関連が認められる。
○オ複数業務要因災害では異なる事業の労働時間を通算して評価する。
択一 問4
テーマ:休業補償給付(正しいものはどれか)- A 第1種特別加入者の給付基礎日額の最高額は25,000円、最低額は2,000円である。
- B 8条の2第2項は、休業補償給付の支給事由が生じた日が療養開始日から起算して3年を経過した日以後の日である場合に、年齢階層別の限度額を休業給付基礎日額とする旨規定している。
- C 業務上の傷病による療養のため労働不能で賃金を受けられない場合でも、出勤停止の懲戒処分を受け賃金請求権を有しない場合には支給されない。
- D 休業特別支給金の支給申請は、休業補償給付の請求後に行わなければならない。
- E 休業補償給付を受ける労働者が同一事由で障害厚生年金又は障害基礎年金を受けられるときは、傷病補償年金との調整率を用いて算定されるが、その額が施行令1条1項で定める額を下回る場合には、同項で定める額となる。
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正解:E公式正答
×A第1種特別加入者の給付基礎日額の最低額は3,500円である(2,000円は家内労働者等に認められる低い区分)。
×B年齢階層別限度額の適用は療養開始から1年6か月経過後。8条の2第2項
×C懲戒処分による出勤停止期間中でも、療養のため労働不能で賃金を受けない日であれば支給される(通達)。
×D休業特別支給金の申請は、原則として休業補償給付の請求と同時に行う。
○E調整後の額が政令で定める額を下回るときはその額とする。14条2項
択一 問5
テーマ:介護補償給付(正しいものはどれか)- A 療養補償給付を受ける権利を有する労働者は、病院又は診療所に入院し介護を受けている間、介護補償給付を受けることができる。
- B 障害補償年金の受給権者は、障害者支援施設に入所し生活介護を受けている間、併せて介護補償給付を受けることができる。
- C 障害補償一時金の支給を受けた労働者が、加齢により要介護状態となった場合、介護補償給付を受けることができる。
- D 両眼を失明し障害等級第1級の障害補償年金を受ける労働者は、他に障害を負っているか否かにかかわらず、常時介護を要する障害の程度にあるとして介護補償給付を受けることができる。
- E 介護補償給付の額は、その月に介護費用を支出して介護を受けた日がなく親族による介護を受けた日があるときは、障害の程度に応じて定額とされている。
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正解:E公式正答
×A対象は障害補償年金・傷病補償年金の受給権者に限られ、入院中は支給されない。12条の8第4項3号
×B障害者支援施設で生活介護を受けている間は支給されない。12条の8第4項1号
×C一時金の受給者は対象外。加齢による要介護も支給事由となる障害によるものではない。
×D両眼失明だけで常時介護を要する状態に当たるわけではない。常時・随時の区分は施行規則別表の要件で判断する。
○E親族等による介護のみの月は、常時介護・随時介護の区分に応じた定額が支給される。19条の2
択一 問6
テーマ:二次健康診断等給付(誤っているものはどれか)- A 二次健康診断等給付を行う病院又は診療所の指定は、都道府県労働局長が行う。
- B 二次健康診断は、対象労働者1人につき、1年度内1回に限り支給される。
- C 特定保健指導は、医師又は保健師による面接によって行われ、栄養指導、運動指導及び生活指導の内容により行われる。
- D 特別加入者は、二次健康診断等給付の対象とならない。
- E 二次健康診断等給付は、直近の一次健康診断において、血圧検査等所定の検査を受けた労働者が、当該検査項目のいずれかに異常の所見があると診断されたときに行われる。
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正解:E公式正答
○A施行規則どおり(都道府県労働局長の指定)。
○B1年度につき1回に限る。26条2項1号
○C面接による医師又は保健師の保健指導。26条2項2号
○D特別加入者は一次健康診断の受診が義務付けられていないため対象外(通達)。
×E「いずれかの項目」ではなく「いずれの項目にも」異常の所見があることが要件。26条1項
択一 問7
テーマ:特定フリーランス事業の特別加入団体(誤っているものはどれか)- A 承認を受けるためには、特定の業種に関わらないフリーランス全般の支援活動実績(活動期間1年以上、会員等100名以上)を有している必要がある。
- B 承認を受けるためには、市町村ごとに加入希望者が訪問可能な事務所を設け、都道府県を単位として団体を運営する必要がある。
- C 特別加入団体は、少なくとも年に1回以上、加入者に対して災害防止等に関する研修会等を実施する必要がある。
- D 特別加入団体は、特別加入者の災害発生時の労災給付請求に際し、請求書等の作成支援を行うことを求められる。
- E 保険給付に関する事務は、特別加入団体の主たる事務所の所在地を管轄する労働基準監督署長が行う。
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正解:B公式正答
○A承認要件どおり。
×B市町村ごとの事務所設置や都道府県単位での運営は要件ではない。特定フリーランス事業の特別加入団体は、全国の加入希望者を受け付けて支援できる体制が求められる。
○C年1回以上の研修会等の実施が求められる。
○D請求書等の作成支援が求められる。
○E主たる事務所の所在地を管轄する労働基準監督署長が保険給付の事務を行う。
令和6年度(第56回)
選択 問2
テーマ:障害等級の併合繰上げ・年金の支給期間・未支給・遺族補償年金の損益相殺判例1 施行規則14条3項柱書は、「第[A]級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「前2項の規定による障害等級」を「2級」繰り上げた等級、「第[B]級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「3級」繰り上げた等級によるとする。
2 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた[C]から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わる。また、保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合の未支給の保険給付は、配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって死亡当時生計を同じくしていたものが、[D]の名で請求することができる。
3 最高裁:遺族補償年金は、労働者の死亡による遺族の[E]を塡補することを目的とするものであって……その塡補の対象となる[E]による損害と同性質であり、かつ、相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。- ①3 ②5 ③6 ④7 ⑤8 ⑥10 ⑦12 ⑧13 ⑨事業主 ⑩自己
- ⑪死亡した者 ⑫生活基盤の喪失 ⑬精神的損害 ⑭世帯主 ⑮相続財産の喪失 ⑯月 ⑰月の翌月 ⑱日 ⑲日の翌日 ⑳被扶養利益の喪失
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正解:A⑤ B② C⑰ D⑩ E⑳公式正答
A ⑤8第8級以上が2以上なら2級繰上げ。施行規則14条3項2号
B ②5第5級以上が2以上なら3級繰上げ。施行規則14条3項3号
C ⑰月の翌月年金は支給事由が生じた月の翌月から、権利が消滅した月まで。9条1項
D ⑩自己未支給の保険給付は遺族が「自己の名で」請求する。11条1項
E ⑳被扶養利益の喪失最高裁大法廷判決(平成27年3月4日)の文言。
択一 問1
テーマ:通勤の逸脱・中断(施行規則8条が定める日常生活上必要な行為に含まれない行為はどれか)通勤途中で合理的経路を逸脱・中断した場合でも、日常生活上必要な行為で省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合は、合理的な経路に復した後は通勤と認められる。- A 経路の近くにある公衆トイレを使用する行為
- B 帰途で惣菜等を購入する行為
- C はり師による施術を受ける行為
- D 職業能力開発校で職業訓練を受ける行為
- E 要介護状態にある兄弟姉妹の介護を継続的に又は反復して行う行為
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正解:A公式正答
×A(含まれない)公衆トイレの使用はささいな行為で、そもそも逸脱・中断に当たらない。規則8条の列挙行為ではない。
○B日用品の購入その他これに準ずる行為。施行規則8条1号
○C病院等での診察・治療に準ずる行為として、はり師等の施術も含まれる(通達)。施行規則8条4号
○D職業訓練の受講。施行規則8条2号
○E要介護状態の兄弟姉妹等の継続的・反復的な介護。施行規則8条5号
択一 問2
テーマ:通勤災害の事例(正しいものはどれか)- A マイカー通勤者が、会社から市道を挟んだ会社駐車場に停車し徒歩で出勤・打刻後、フォグライトの消し忘れに気づき駐車場へ引き返す途中、市道で軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- B マイカー通勤者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため自分の勤務先を通り越して450メートル走行し、配偶者を降ろして勤務先へ向かう途中、踏切で鉄道車両と衝突し負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- C 手術した配偶者の看護のため1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、病院から徒歩で出勤する途中にはねられ負傷した場合、合理的な経路・方法で逸脱・中断なく出勤していても、通勤災害とは認められない。
- D 退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えて事業場施設内の階段を降りる途中、足を滑らせて負傷した場合、通勤災害とは認められない。
- E 通常どおりの時刻・経路で徒歩出勤中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
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正解:D公式正答
×A消し忘れに気づいて駐車場へ戻る行為は就業との関連性を失わず、通勤災害と認められる(通達)。
×B同一方向の配偶者の勤務先を経由する程度の経路は合理的な経路であり、通勤災害と認められる(通達)。
×C看護のため継続的に寝泊まりしている病院は住居と認められ、通勤災害となる(通達)。
○D事業場施設内での災害は事業主の支配管理下にあるものとして業務災害の問題となり、通勤災害ではない。
×E急性心不全は通勤に内在する危険の現実化とはいえず、通勤災害とは認められない。
択一 問3
テーマ:精神障害の認定基準(正しいものはいくつあるか)- ア 対象疾病には、統合失調症や気分障害等のほか、頭部外傷等の器質性脳疾患に付随する精神障害、アルコールや薬物等による精神障害も含まれる。
- イ 発病して治療が必要な者について、特別な出来事があり、その後おおむね6か月以内に自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合には、悪化した部分について業務起因性を認める。
- ウ 特別な出来事がない場合には、悪化の前おおむね6か月以内の業務による強い心理的負荷で著しく悪化したと精神医学的に判断されても、悪化部分について業務起因性は認められない。
- エ 症状が改善し安定した状態が一定期間継続する等で通常の就労が可能な状態に至ったときは、投薬等を継続していても通常は治ゆ(症状固定)の状態にあり、治ゆ後に再び治療が必要となった場合は新たな疾病と取り扱う。
- オ 業務によりうつ病を発病した者が自殺を図り死亡した場合には、正常の認識、行為選択能力等が著しく阻害された状態に至ったものと推定し、業務起因性を認める。
- A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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正解:C(三つ)公式正答
×ア器質性の精神障害と、アルコール・薬物等の有害物質に起因する精神障害は対象疾病から除かれる。
○イ認定基準どおり。
×ウ令和5年改正で、特別な出来事がなくても、強い心理的負荷で自然経過を超えて著しく悪化したと精神医学的に判断されるときは悪化部分に業務起因性を認めることとされた。
○エ認定基準どおり。
○オ認定基準どおり(自殺の取扱い)。
択一 問4
テーマ:複数事業労働者の休業補償給付と平均賃金相当額(誤っているものはどれか)- A 複数事業労働者が一の事業場で就労していても、他方の事業場で通院のため所定労働時間の全部又は一部を労働できない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがある。
- B 一部の事業場で年休等により平均賃金相当額の60%以上の賃金を受け「賃金を受けない日」に該当しない一方、他の事業場で無給休業しているため「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。
- C 遅発性疾病の診断確定日に災害発生事業場を離職している場合、その事業場の平均賃金相当額は、離職日以前3か月間の賃金により算定し、診断確定日までの賃金水準の上昇・変動を考慮して算定する。
- D 遅発性疾病の診断確定日に災害発生事業場を離職している場合の非災害発生事業場の平均賃金相当額は、診断確定日に当該事業場を離職しているか否かにかかわらず、診断確定日前3か月間に賃金を受けていればその3か月間の賃金により算定する。
- E 改正法(令和2年法律第14号)施行日後に発生した傷病等は、原因が施行日前でも、発生時点で事業主が同一人でない2以上の事業に使用されていた場合は、給付基礎日額相当額を合算する必要がある。
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正解:D公式正答
○A通達どおり。
○B通達どおり。「賃金を受けない日」は事業場ごとの状況で判断されうる。
○C通達どおり(離職日を基準に算定し、賃金水準の変動を考慮)。
×D複数事業労働者に当たるかは傷病等の発生時点(遅発性疾病では診断確定日)で判断するため、非災害発生事業場について合算の対象となるのは、その時点で当該事業場に使用されている場合である。「離職しているか否かにかかわらず」算定する点が誤り。
○E施行日後に発生した傷病等は合算の対象となる(経過措置の通達)。
択一 問5
テーマ:遺族補償年金の失権(正しいものはいくつあるか)- ア 当該遺族が死亡したときには消滅する。
- イ 当該遺族が婚姻(事実婚を含む)をしたときには消滅する。
- ウ 当該遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子(事実上の養子を含む)となったときには消滅する。
- エ 当該遺族である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
- オ 当該遺族である兄弟姉妹が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
- A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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正解:C(三つ)公式正答
○ア16条の4第1項1号
○イ16条の4第1項2号
○ウ16条の4第1項3号
×エ労働者の死亡の時から引き続き障害の状態にあるときは消滅しない。例外を落として一律に「消滅する」とする点が誤り。16条の4第1項5号
×オエと同じ理由。兄弟姉妹も障害の状態にあれば18歳年度末で消滅しない。16条の4第1項5号
択一 問6
テーマ:海外派遣の特別加入(誤っているものはどれか)- A 海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が特別加入について政府の承認を申請し、承認があった場合に特別加入できる。
- B 派遣元との雇用関係が転勤、在籍出向、移籍出向等のいずれの形態でも、派遣元の命令で海外の事業に従事し現実の労働関係をもつ限り、特別加入の資格に影響しない。
- C 海外派遣者として特別加入している者が、派遣先国の労災保険から同一事由の給付を受けられる場合には、わが国の労災保険給付との間で調整がなされなければならない。
- D 海外派遣者として特別加入している者の赴任途上及び帰任途上の災害については、当該特別加入に係る保険給付は行われない。
- E 海外出張者として当然に保護されるのか、海外派遣者として特別加入しなければ保護されないのかは、勤務の実態を総合的に勘案して判定される。
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正解:C又はD公式正答(C及びDを正答とする複数正解)
○A団体又は事業主の申請と政府の承認による。36条1項
○B通達どおり。
×C派遣先国の労災保険から給付を受けられる場合でも、わが国の労災保険給付との調整は行わない(通達)。
×D赴任途上・帰任途上の災害も、要件を満たせば特別加入に係る保険給付の対象となりうるため、「行われない」と言い切る点が誤りとされた。
○E海外出張と海外派遣の区別は勤務の実態で判断する(通達)。
択一 問7
テーマ:支給制限・受給権保護・不正受給(正しいものの組合せはどれか)- ア 労働者が、重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はこれらの原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
- イ 労働者を重大な過失により死亡させた遺族補償給付の受給資格者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。
- ウ 労働者が、懲役、禁固若しくは拘留の刑の執行のため刑事施設に拘置されている場合には、休業補償給付は行わない。
- エ 労働者が退職したときは、保険給付を受ける権利は消滅する。
- オ 偽りその他不正の手段により労働者が保険給付を受けたときは、政府は、その費用相当額の全部又は一部を当該労働者を使用する事業主から徴収することができる。
- A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) D(ウとオ) E(エとオ)
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正解:B(アとウ)公式正答
○ア重大な過失は相対的支給制限。12条の2の2第2項
×イ欠格は労働者を「故意に」死亡させた者に限られる。16条の9第1項
○ウ刑事施設への拘禁中は休業補償給付を行わない。14条の2(出題当時の施行規則の表現。刑法改正後の現行法では「拘禁されている場合」と規定されている)
×エ保険給付を受ける権利は退職によって変更されない。12条の5第1項
×オ徴収の相手は不正受給者本人。事業主は虚偽の報告・証明をした場合に連帯納付を命じられるにとどまる。12条の3