安衛法は単独科目ではなく「労働基準法及び労働安全衛生法」の一部として出題される。R6〜R8 の3年とも、選択式は問1の空欄A〜Cが労基法、D・Eが安衛法、択一式は問1〜7が労基法、問8〜10が安衛法という配分で固定されていた。科目合計は選択5点・択一10点なので、安衛法は選択の2点と択一の3点を担う。選択式の科目基準点(原則3点)を守るうえで、D・Eの2点を落とさないことが大きい。
| 年度 | 問 | 論点 | 関連単元 |
|---|---|---|---|
| R8 | 選D | 総括安全衛生管理者の選任規模(製造業300人) | 2 |
| R8 | 選E | 24条 作業行動から生ずる労働災害の防止 | 5 |
| R8 | 択8 | 2条の定義(労働災害・労働者・事業者・作業環境測定)、特定元方事業者 | 1・4 |
| R8 | 択9 | 安全衛生教育(雇入れ時・作業内容変更時・特別教育) | 7 |
| R8 | 択10 | 健康診断(雇入時・定期・特定業務・自発的健診・歯科) | 10 |
| R7 | 選D | 労働衛生の3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理) | 5・9 |
| R7 | 選E | 42条 譲渡等の制限(譲渡し、貸与し、又は設置) | 6 |
| R7 | 択8 | 注文者の配慮・元方事業者の指導・選任報告・産業医の巡視・安全衛生推進者 | 1・2・4 |
| R7 | 択9 | 就業制限(クレーン・移動式クレーン・車両系建設機械・玉掛け) | 8 |
| R7 | 択10 | 作業環境測定の実施頻度 | 9 |
| R6 | 選D | 定期自主検査の対象機械(フォークリフト) | 6 |
| R6 | 選E | 労働者死傷病報告(休業4日以上は遅滞なく) | 12 |
| R6 | 択8 | 事例問題:事業場ごとの管理体制(総括・安全・衛生管理者、作業主任者、衛生推進者) | 2 |
| R6 | 択9 | 長時間労働者の面接指導 | 11 |
| R6 | 択10 | 88条の計画の届出 | 12 |
注:本文の条文は e-Gov から取得した施行日 2026-04-01 版にもとづく。令和7年改正により、15条・29条・30条などで「作業従事者」(労働者以外の者を含む)という語が用いられている。施行令・規則の数字は条文ファイルに含まれないため、確実なものに限って記載した。
安衛法は労基法から独立した法律だが、目的条文の冒頭で「労働基準法と相まつて」と位置付けられている。労働災害防止のための3本柱(危害防止基準の確立・責任体制の明確化・自主的活動の促進)と、「快適な職場環境の形成を促進」の語が選択式の定番である。安衛法1条
第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
| 用語 | 定義(要旨) | ひっかけどころ |
|---|---|---|
| 労働災害 | 就業に係る建設物・設備・原材料・ガス・蒸気・粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡すること | 「通勤」は含まない(R8択8A) |
| 労働者 | 労基法9条の労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く) | フリーランス(特定受託事業者)は定義に入っていない(R8択8B) |
| 事業者 | 事業を行う者で、労働者を使用するもの | 労基法10条の「使用者」(事業主のために行為をするすべての者)とは違う。法人企業なら法人そのもの(R8択8C) |
| 化学物質 | 元素及び化合物 | |
| 作業環境測定 | 作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む。) | R8択8Eでそのまま出題 |
事業者は「最低基準を守るだけでなく」快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて安全と健康を確保する。機械の設計者・製造者・輸入者、建設物の建設者・設計者は労災防止に資するよう努める。さらに3項で、建設工事の注文者その他の仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法・作業方法・工期・納期等について安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないよう配慮しなければならない。安衛法3条
第三条第三項 建設工事の注文者その他の仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、作業方法、工期、納期等について、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。
選任義務は企業単位ではなく事業場単位で判断する。本社・工場・営業所はそれぞれ別の事業場として、業種と常時使用労働者数で選任の要否を決める。安衛法10〜14条 規模・業種は施行令、資格・専任等は施行規則で定められている。
| 名称 | 選任が必要な事業場(常時使用労働者数) | 主な要点 |
|---|---|---|
| 総括安全衛生管理者 10条 | 林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業:100人以上 製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品卸売業・各種商品小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業など:300人以上 その他の業種:1,000人以上 | その事業場で事業の実施を統括管理する者をもって充てる(資格不要)。都道府県労働局長が業務執行について勧告できる |
| 安全管理者 11条 | 上の「100人」「300人」の業種(いわゆる屋外的・工業的業種)で50人以上 | 労働基準監督署長が増員・解任を命ずることができる |
| 衛生管理者 12条 | 全業種50人以上 | 人数は規模に応じて1〜6人(下表)。都道府県労働局長の免許等が必要 |
| 安全衛生推進者/衛生推進者 12条の2 | 10人以上50人未満。安全管理者を選任すべき業種は安全衛生推進者、それ以外の業種は衛生推進者 | その事業場に専属の者(コンサルタント等から選任する場合を除く)。専任までは求められない |
| 産業医 13条 | 全業種50人以上 | 1,000人以上又は一定の有害業務に500人以上従事で専属。3,000人超で2人以上 |
| 作業主任者 14条 | 規模を問わず、政令で定める作業(高圧室内作業、動力プレス5台以上の事業場でのプレス作業など) | 免許又は技能講習修了者から「作業の区分に応じて」選任 |
| 常時使用労働者数 | 50〜200人 | 201〜500人 | 501〜1,000人 | 1,001〜2,000人 | 2,001〜3,000人 | 3,001人以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 衛生管理者 | 1人以上 | 2人以上 | 3人以上 | 4人以上 | 5人以上 | 6人以上 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選任期限 | 選任すべき事由が発生した日から14日以内(総括・安全管理者・衛生管理者・産業医) |
| 選任報告 | 遅滞なく所轄労働基準監督署長へ。規則改正により電子情報処理組織(電子申請)による報告が原則となっている(R7択8C) |
| 巡視 | 衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視。産業医は少なくとも毎月1回(一定の情報提供を受け事業者の同意がある場合は2か月に1回) |
委員会は事業者に意見を述べる調査審議機関である。安全委員会は政令で定める業種・規模、衛生委員会は全業種50人以上で設置する。両方必要な場合は安全衛生委員会にまとめられる。安衛法17〜19条
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 安全委員会の設置規模 | 林業・鉱業・建設業・一部の製造業・一部の運送業・自動車整備業・機械修理業・清掃業などは50人以上、その他の安全管理者選任業種は100人以上 |
| 衛生委員会の設置規模 | 全業種50人以上 |
| 議長 | 第1号の委員(総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等から事業者が指名した者。1人) |
| 委員の半数 | 議長以外の委員の半数は、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)の推薦に基づき指名 |
| 衛生委員会の構成 | 議長、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する労働者。作業環境測定士である労働者を指名できる |
| 開催 | 毎月1回以上(規則)。議事の概要は労働者に周知し、重要な記録は3年間保存 |
第十七条第四項 事業者は、第一号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
一の場所で複数の請負人の作業従事者が混在すると、単独の事業者の措置だけでは労災を防げない。そこで最も先次の注文者である元方事業者に指導義務を、そのうち建設業・造船業(特定事業)を行う特定元方事業者に統括管理の義務を課している。安衛法15条・29条・30条
| 義務者 | 対象 | 主な義務 |
|---|---|---|
| 元方事業者 | 全業種 | 関係請負人等が法令に違反しないよう必要な指導、違反を認めたときは是正のため必要な指示(29条) |
| 建設業の元方事業者 | 建設業 | 土砂崩壊・機械転倒のおそれのある場所等での技術上の指導等(29条の2) |
| 特定元方事業者 | 建設業・造船業 | 協議組織の設置運営、作業間の連絡調整、作業場所の巡視、関係請負人の安全衛生教育への指導援助など(30条) |
| 製造業等の元方事業者 | 製造業等 | 作業間の連絡調整等(30条の2) |
| 統括安全衛生責任者 | 特定元方事業者(混在する作業従事者が常時50人以上。ずい道・圧気工法・一定の橋梁は30人以上) | 元方安全衛生管理者(建設業)を指揮し、30条1項の事項を統括管理(15条) |
| 安全衛生責任者 | 統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人 | 統括安全衛生責任者との連絡等。選任したら遅滞なく通報(16条) |
第二十九条第一項 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人に係る作業従事者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行わなければならない。
20条〜25条は事業者が講ずべき措置の骨格で、具体的内容は厚生労働省令(安衛則・特化則など)に委任されている。条文が短いので選択式の穴埋めに向く。安衛法20〜25条
| 条 | 防止対象 |
|---|---|
| 20条 | 機械等による危険、爆発性・発火性・引火性の物等による危険、電気・熱その他のエネルギーによる危険 |
| 21条 | 掘削・採石・荷役・伐木等の作業方法から生ずる危険、墜落・土砂崩壊のおそれのある場所等の危険 |
| 22条 | 原材料・ガス・蒸気・粉じん・酸素欠乏空気・病原体等、放射線・高温・低温・超音波・騒音・振動・異常気圧等、計器監視・精密工作等、排気・排液・残さい物による健康障害 |
| 23条 | 作業場の通路・床面・階段等の保全、換気・採光・照明・保温・防湿・休養・避難・清潔など |
| 24条 | 作業行動から生ずる労働災害 |
| 25条 | 労働災害発生の急迫した危険があるときの作業の中止・退避 |
第二十四条 事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
建設物・設備・原材料等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性・有害性等を調査し、その結果に基づき措置を講ずる努力義務。化学物質以外に係る調査は製造業その他省令で定める業種に限られる。一定の化学物質(57条1項の表示対象物・57条の2の通知対象物)のリスクアセスメントは57条の3で義務となっている。
危険な機械は「作る段階」「流通させる段階」「使う段階」の3段階で規制される。安衛法37〜58条
| 段階 | 規制 | ポイント |
|---|---|---|
| 製造 | 特定機械等(ボイラー、第一種圧力容器、クレーン、移動式クレーン、デリック、エレベーター、建設用リフト、ゴンドラ)は製造に都道府県労働局長の許可(37条) | 製造時等検査・検査証(38条〜41条) |
| 流通 | 別表第2の機械等(動力プレス、防じんマスク、フォークリフト等)は、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならない(42条) | R7選Eで「譲渡し、貸与し」が問われた |
| 使用 | ボイラーその他政令で定める機械等は定期自主検査を行い記録(45条1項)。フォークリフト・車両系建設機械・動力プレス等は有資格者による特定自主検査(同2項) | R6選Dで「フォークリフト」が問われた |
第四十二条 特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。
第四十五条第一項 事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。
黄りんマッチ・ベンジジン等は製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止(55条)。ジクロルベンジジン等は製造に厚生労働大臣の許可(56条)。危険有害な化学物質は容器・包装への表示(57条)と譲渡・提供時の文書交付等による通知(57条の2)が必要。
| 教育 | 義務の範囲 | 要点 |
|---|---|---|
| 雇入れ時教育 59条1項 | 全業種・全規模。臨時に雇い入れた者も含む | 派遣労働者は派遣元が実施 |
| 作業内容変更時教育 59条2項 | 雇入れ時教育の規定を準用 | 作業内容の変更時。派遣労働者は派遣元・派遣先の双方 |
| 特別教育 59条3項 | 危険・有害業務で省令で定めるもの(規模要件なし) | 記録を3年間保存。派遣労働者は派遣先が実施 |
| 職長等教育 60条 | 政令で定める業種(建設業・製造業の一部・電気業・ガス業・自動車整備業・機械修理業など) | 新たに職務につく職長等(作業主任者を除く) |
第五十九条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
クレーンの運転その他政令で定める業務は、免許・技能講習修了等の資格者でなければ就かせてはならず、無資格者は業務を行ってはならない。従事中は免許証等を携帯する。安衛法61条 資格が不要な小規模のものは、多くが特別教育(59条3項)の対象になる。
| 業務 | 免許 | 技能講習 | 特別教育 |
|---|---|---|---|
| クレーン | つり上げ荷重5トン以上(クレーン・デリック運転士免許) | 床上操作式クレーン5トン以上(床上操作式クレーン運転技能講習) | 5トン未満 |
| 移動式クレーン | 5トン以上(移動式クレーン運転士免許) | 1トン以上5トン未満(小型移動式クレーン運転技能講習) | 1トン未満 |
| フォークリフト・ショベルローダー等 | — | 最大荷重1トン以上 | 1トン未満 |
| 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用) | — | 機体重量3トン以上 | 3トン未満 |
| 玉掛け | — | つり上げ荷重1トン以上のクレーン等 | 1トン未満のクレーン等 |
自主的な労働衛生管理の基本は、労働衛生管理体制の確立を土台に、作業環境管理・作業管理・健康管理の3管理と労働衛生教育を総合的に実施することである(3管理に教育と体制を加えて「5管理」と呼ぶこともある)。R7選Dはこの行政の考え方から出題された。
有害な業務を行う屋内作業場等で政令で定めるものは、作業環境測定を行い、結果を記録する。測定は厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従う。安衛法65条 評価結果に応じた改善は65条の2。
| 作業場 | 測定項目 | 頻度 |
|---|---|---|
| 暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場(溶鉱炉等) | 気温・湿度・ふく射熱 | 半月以内ごとに1回 |
| 著しい騒音を発する屋内作業場 | 等価騒音レベル | 6月以内ごとに1回 |
| 常時特定粉じん作業を行う屋内作業場 | 粉じん濃度 | 6月以内ごとに1回 |
| 特定化学物質(第1類・第2類)を取り扱う屋内作業場 | 空気中濃度 | 6月以内ごとに1回 |
| 有機溶剤を取り扱う屋内作業場 | 空気中濃度 | 6月以内ごとに1回 |
| 鉛業務の屋内作業場 | 空気中の鉛濃度 | 1年以内ごとに1回 |
| 放射線業務の管理区域 | 外部放射線による線量当量率等 | 1月以内ごとに1回 |
| 酸素欠乏危険場所 | 酸素濃度(硫化水素濃度) | その日の作業開始前 |
| 中央管理方式の空調設備のある事務所 | 一酸化炭素・二酸化炭素・室温等 | 2月以内ごとに1回 |
事業者は医師による健康診断を行い、労働者は受診義務を負う。ただし事業者指定の医師を希望しない場合は、他の医師の健診結果を提出すればよい(医師選択の自由)。安衛法66条
| 種類 | 対象・時期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 雇入時の健康診断 | 常時使用する労働者の雇入れ時。3月以内に受けた健診の結果証明書を提出した項目は省略可 | 則43条 |
| 定期健康診断 | 常時使用する労働者に1年以内ごとに1回 | 則44条 |
| 特定業務従事者の健康診断 | 深夜業・重量物・病原体汚染等の特定業務に常時従事する者に、配置替えの際及び6月以内ごとに1回 | 則45条 |
| 海外派遣労働者 | 6月以上派遣する際・帰国後 | 則45条の2 |
| 給食従業員の検便 | 事業に附属する食堂・炊事場の給食業務従事者の雇入れ・配置替えの際 | 則47条 |
| 歯科医師による健康診断 | 塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・弗化水素・黄りん等の業務に常時従事する者に、雇入れ・配置替えの際及び6月以内ごとに1回 | 66条3項・則48条 |
| 自発的健康診断 | 自ら受けた日前6月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した者が、受診後3月以内に結果を提出できる | 66条の2・則50条の2 |
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 記録 | 健康診断個人票を作成し5年間保存(66条の3) |
| 医師等の意見聴取 | 異常の所見がある者について、健診実施日から3月以内に医師又は歯科医師の意見を聴く(66条の4) |
| 就業上の措置 | 就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等(66条の5) |
| 結果の通知 | 受診した労働者に遅滞なく通知(66条の6) |
| 保健指導 | 医師又は保健師による保健指導(努力義務、66条の7) |
| 報告 | 常時50人以上の事業者は定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長へ |
| 対象者 | 要件 | 申出 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 一般の労働者 | 休憩時間を除き週40時間を超えて労働させた時間が1月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者 | 本人の申出により実施 | 66条の8・則52条の2 |
| 研究開発業務従事者(労基法36条11項) | 上記の時間が1月当たり100時間を超える者 | 申出不要(義務) | 66条の8の2 |
| 高度プロフェッショナル制度の対象者 | 健康管理時間が週40時間を超えた時間が1月当たり100時間を超える者 | 申出不要(義務) | 66条の8の4 |
第六十六条の八の三 事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。
労働時間の状況の把握義務は、除外が高度プロフェッショナル制度の対象者だけなので、管理監督者(労基法41条2号)も対象になる。面接指導の結果の記録は5年間保存し、医師の意見を聴いて就業上の措置を講ずる。
| 区分 | 費用 | 面接指導の時間の賃金 |
|---|---|---|
| 一般の労働者(66条の8) | 事業者負担 | 当然には事業者負担ではなく、支払うことが望ましい |
| 研究開発業務従事者(66条の8の2)・高プロ(66条の8の4) | 事業者負担 | 事業者に実施が義務付けられているため、面接指導の時間は労働時間として扱い賃金を支払う |
医師・保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(1年以内ごとに1回)。結果は実施者から本人に通知され、本人の同意なく事業者に提供してはならない。高ストレスで面接指導を申し出た者には面接指導を行い、申出を理由とする不利益取扱いは禁止。現行では常時50人未満の事業場は当分の間努力義務とされており、令和7年改正で全事業場への義務化が予定されている(施行は公布から3年以内の政令で定める日)。
| 項 | 対象 | 期限 | 届出先 |
|---|---|---|---|
| 1項 | 危険・有害な機械等(省令で定めるもの)の設置・移転・主要構造部分の変更 | 工事開始の30日前 | 労働基準監督署長 |
| 2項 | 建設業の仕事のうち重大な労災のおそれのある特に大規模な仕事 | 仕事開始の30日前 | 厚生労働大臣 |
| 3項 | 建設業その他政令で定める業種の仕事(2項を除く)で省令で定めるもの | 仕事開始の14日前 | 労働基準監督署長 |
第八十八条第三項 事業者は、建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあつては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の十四日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。
1項の届出は、リスクアセスメント等の措置を講じているとして労働基準監督署長の認定を受けた事業者については免除される(1項ただし書)。
| 休業日数 | 報告期限 |
|---|---|
| 死亡又は休業4日以上 | 遅滞なく |
| 休業4日未満 | 四半期ごと(1〜3月分を4月末日までに、など) |
報告先は所轄労働基準監督署長。報告の根拠は100条(報告等)に基づく省令である。
「労働基準法及び労働安全衛生法」の安衛法部分(選択式 問1の空欄D・E、択一式 問8〜10)を収録。R8(第58回)は公式正答が未公表のため、条文と行政解釈にもとづく解答である。
施行令2条により、製造業(物の加工業を含む)は常時300人以上で総括安全衛生管理者の選任が必要。林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業は100人以上、その他の業種は1,000人以上。安衛法10条・令2条
24条の原文どおり「作業行動」。2条1号の労働災害の定義「作業行動その他業務に起因して」と同じ語である。安衛法24条
×A労働災害の定義に「通勤」は含まれない。就業に係る建設物・設備等により、又は作業行動その他業務に起因するもの。安衛法2条1号
×B労働者の定義は労基法9条の労働者(同居の親族のみの事業・家事使用人を除く)だけで、特定受託事業者は含まれない。安衛法2条2号
×C事業者は「事業を行う者で、労働者を使用するもの」。後段は労基法10条の使用者の定義である。安衛法2条3号
×D特定事業は建設業と政令で定める業種(造船業)。製鉄業は含まれない。安衛法15条1項・令7条
○E条文どおり。安衛法2条4号
×A雇入れ時教育の実施義務は雇用主である派遣元にある(労働者派遣法45条による特例の対象外)。
×B雇入れ時教育は業種を問わず全事業者の義務。安衛法59条1項・則35条
×C臨時に雇い入れた労働者も対象となる。59条1項は「労働者を雇い入れたとき」とし、雇用形態を限定していない。
○D条文どおり。安衛法59条2項
×E特別教育に規模要件はなく、該当業務に就かせるすべての事業者の義務。安衛法59条3項
○A行政解釈のとおり。雇入時健診は採用選考時の健診として実施を義務付けたものではない。則43条・通達
×B法で事業者に実施義務を課している以上、健康診断の費用は当然事業者が負担すべきものとされる。「業務遂行との関連で行われるものではない」ことから導かれるのは、受診時間の賃金が当然には事業者負担ではない(支払うことが望ましい)という点であり、費用ではない。安衛法66条・昭和47年通達
○C特定業務(則13条1項3号)に深夜業・重量物・病原体は含まれるが、給食業務(則47条の検便の対象)や高所作業は含まれない。則45条・則13条
○D自発的健康診断の要件(6月平均で月4回以上の深夜業、受診後3月以内の提出)のとおり。安衛法66条の2・則50条の2
○E歯科医師による健康診断は雇入れ・配置替えの際及び6月以内ごとに1回。安衛法66条3項・則48条
労働衛生の3管理は「作業環境管理・作業管理・健康管理」。これに労働衛生教育と管理体制の確立を加えて総合的に実施するのが行政の基本的な考え方である。
42条の原文は「譲渡し、貸与し、又は設置してはならない」。安衛法42条
○A3条3項は「建設工事の注文者その他の仕事を他人に請け負わせる者」が対象。安衛法3条3項
○B29条の元方事業者の指導義務は業種を限定しない。安衛法29条
○C選任報告は電子情報処理組織を使用して行うこととされている。則2条2項
×D産業医にも少なくとも毎月1回(所定の情報提供と事業者の同意があれば2か月に1回)の作業場等の巡視義務がある。則15条1項
○E安全衛生推進者は専属であれば足り、専任までは求められていない。則12条の3
×Aつり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンには移動式クレーン運転士免許が必要。クレーン・デリック運転士免許では就けない。安衛法61条・令20条
×B小型移動式クレーン運転技能講習は移動式クレーン(1トン以上5トン未満)のための資格であり、床上操作式を含むクレーンの運転資格にはならない。つり上げ荷重5トン未満のクレーンの運転は特別教育の対象である。
○C車両系建設機械の運転で就業制限の対象は機体重量3トン以上。3トン未満は特別教育の対象。令20条12号
×Dショベルローダー・フォークローダーは最大荷重1トン以上で就業制限(技能講習)の対象。3トン未満でも1トン以上なら該当する。令20条13号
×E玉掛けの就業制限はクレーン等のつり上げ荷重1トン以上で判断する。吊り上げる荷の重さは関係ない。令20条16号
○A粉じんは6月以内ごとに1回。粉じん則26条
○B暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場は半月以内ごとに1回。則607条
○C著しい騒音を発する屋内作業場は6月以内ごとに1回。則590条
○D特定化学物質(第1類・第2類)は6月以内ごとに1回。特化則36条
×E酸素欠乏危険場所は「その日の作業を開始する前」に測定する。定期(半月ごと)ではない。酸欠則3条
定期自主検査の対象(施行令15条)にはフォークリフトが含まれ、さらに特定自主検査(有資格者等による年次の検査)の対象でもある。研削盤・構内運搬車・空気調和設備は45条の定期自主検査の対象として政令に掲げられていない。安衛法45条・令15条
死亡又は休業4日以上は「遅滞なく」。休業4日未満は四半期ごとにまとめて報告する。則97条
○A本社は30人で、衛生管理者(50人以上)も安全管理者(所定業種50人以上)も不要。10人以上50人未満なので衛生推進者等の選任は必要になる。安衛法11条・12条
×B総括安全衛生管理者は事業場単位で判断する。本社は管理業務(その他の業種)で30人なので不要(その他の業種は1,000人以上)。会社全体の人数は関係ない。選任が必要なのは製造業で300人の第1工場である。安衛法10条・令2条
○C両工場とも製造業で50人以上なので安全管理者・衛生管理者が必要。第1工場は300人(201〜500人)で衛生管理者2人以上。安衛法11条・12条・則7条
○D動力プレスを5台以上有する事業場でのプレス作業は作業主任者の選任対象。作業主任者は作業ごとに選任するので、交替制ではそれぞれの直に必要。安衛法14条・令6条
○E営業所は常時12人(短時間労働者も常時使用する労働者に数える)で10人以上50人未満。業種はその他の業種なので衛生推進者を選任する。安衛法12条の2
○A規則の要件どおり(実施は労働者の申出による)。安衛法66条の8・則52条の2
○B研究開発業務従事者は月100時間超で、申出がなくても面接指導の実施義務がある。安衛法66条の8の2
○C労働時間の状況の把握義務から除かれるのは高度プロフェッショナル制度の対象者だけで、管理監督者等も対象。安衛法66条の8の3
×D費用が事業者負担である点は正しいが、66条の8の2の面接指導は事業者に実施が義務付けられたものであり、その時間は労働時間として賃金を支払う必要があるとされる。「いずれも」賃金は望ましいにとどまるとした点が誤り。行政解釈
○E長時間労働者の面接指導は派遣元事業主が実施する。
×A1項の届出期限は工事開始の日の30日前。安衛法88条1項
×B特に大規模な建設の仕事の届出先は厚生労働大臣。安衛法88条2項
○C条文どおり。安衛法88条3項
×Dクレーンの設置届の対象はつり上げ荷重3トン以上(スタッカー式クレーンは1トン以上)であり、「1トン未満を除く」ではない。クレーン則5条
×E届出対象の動力プレス(機械プレスでクランク軸等の偏心機構を有するもの及び液圧プレス)について、圧力能力による除外は設けられていない。則85条・別表第7