社労士試験 単元解説シリーズ 01/10

労働基準法

「最低基準」を数字と例外で押さえる。判例の決め台詞と通達の一言が得点源
選択式 A〜C(3空欄/労基安衛で1問5点)択一式 問1〜7(7問/労基安衛で10問)
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この科目の攻略方針

試験科目は「労働基準法及び労働安全衛生法」。選択式1問(5空欄)のうちA〜Cの3空欄、択一式10問のうち問1〜7の7問が労働基準法から出る(R6〜R8の3年とも同じ割り振りであることを本試験問題で確認した)。科目の基準点は選択式3点・択一式4点が通例なので、安衛法と合わせて落とさないことが前提になる。

択一は「総則→労働契約→賃金→労働時間→年休→就業規則」の順にほぼ固定の枠で出題され、通達と判例の細部を問う肢が多い。選択式は条文の穴埋め1〜2個と最高裁判例の判示文1個という構成が3年続いている。

年度問論点
R8選A退職時等の証明の交付時期(22条1項「遅滞なく」)
選B事業場外みなし「労働時間を算定し難いとき」(協同組合グローブ事件)
選C打切補償(81条「1,200日分」)
択1総則(差別的取扱い・元請負人・作業衣・平均賃金の控除期間・過半数代表者への配慮)
択2労働契約(15条・16条・17条・解雇制限・予告なし解雇の効力)個数問題
択3賃金支払5原則(遡及支払・口座振込・労使協定控除・毎月払・直接払)
択41年単位の変形労働時間制
択5割増賃金の基礎となる賃金の計算(計算問題)
択6年次有給休暇(時間単位・比例付与・管理簿・再雇用)
択7就業規則(意見書・派遣・介護休業・一括届出・減給の制裁)組合せ
R7選A付加金の命令主体(114条「裁判所」)
選B114条「付加金」
選C産前産後休業と賞与の出勤率条項(東朋学園事件)
択1総則(強制労働・中間搾取・公民権・労働者・賃金)個数問題
択2平均賃金(計算・算定事由発生日・雇入後3か月未満)
択3労働契約(契約期間・罰則・労働条件明示・解雇制限・解雇予告の除外)
択4賃金(前借金相殺・直接払・調整的相殺・非常時払・休業手当)
択536協定(協定当事者・過半数代表者)
択6割増賃金の基礎となる賃金(通勤手当・各種手当・年俸制)
択7就業規則(周知・所持品検査・シフト制・意見書の押印・遅刻早退の減給)
R6選A最低年齢(56条1項)
選B労働時間の定義「指揮命令下」(三菱重工長崎造船所事件)
選C退職金債権の放棄と「自由な意思」(シンガー・ソーイング・メシーン事件)
択1総則(人たるに値する生活・信条差別・男女同一賃金・出向・賃金)
択2事業・使用者・労働契約の解釈(○×組合せ)
択3労働契約(雇止め予告・明示事項・賠償予定・貯蓄金・金品返還)
択4賃金のデジタル払いの要件
択5労働時間制度(1か月変形・非常災害と休憩・テレワーク・専門業務型・高プロ)個数問題
択6年次有給休暇(比例付与・前倒し付与・時季指定・出勤率)
択7就業規則・寄宿舎規則

学習の優先順位

  1. 労働時間・変形労働時間制・36協定・割増賃金(毎年2問前後。数字と協定の要否・届出の要否を表で覚える)
  2. 賃金5原則・平均賃金・年次有給休暇(毎年必ず出る。通達の結論を正確に)
  3. 労働契約(解雇制限・解雇予告)と就業規則(毎年1問ずつ。組合せ・個数問題が多い)
  4. 総則(毎年問1。3条・4条・9条〜11条の解釈通達)
  5. 判例(選択式Bの定番。判示のキーワードを文ごと覚える)
  6. 年少者・妊産婦・災害補償・雑則(選択式の条文穴埋めで狙われる。数字を確実に)
1

総則(1〜12条)

R6択1・択2/R7択1・択2/R8択1

労働憲章(1〜7条)

1条は労働条件の原則。「人たるに値する生活」は、労働者本人だけでなく標準家族の生活も含めて考えるものとされ、最低賃金水準の「最低限度の生活」と同じ意味ではない。2項は、法の基準は最低のものであり、これを理由に労働条件を低下させてはならないと定める。労基法1条

【第三条】使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
【第四条】使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

3条の差別事由は国籍・信条・社会的身分の3つで、性別は含まない(性別は4条の賃金に限って規制)。「差別的取扱」には不利な取扱いだけでなく有利な取扱いも含む(通達)。また3条は雇入れ後の労働条件の規制であり、雇入れそのものを制約しない(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12)。4条は、女性の平均的な能率が悪い・勤続年数が短いという一般論を理由にした賃金差別も違反になる(通達)。

5条(強制労働の禁止)は、不当な手段で労働を強要すれば成立し、現実に労働したことを要しない。6条(中間搾取の排除)の「業として」は反復継続の意思があれば1回の行為でも該当する。7条(公民権行使の保障)は拒否できないが時刻の変更は可。労働審判員・裁判員の職務は「公の職務」に当たる。公民権行使の時間を有給にするかは当事者の自由である(通達)。

ひっかけ注意:7条は「日」の変更ではなく「時刻」の変更ができるだけ。拒んだ時点で違反が成立し、実際に行使できたかは問わない。

定義(9〜11条)

【第九条】この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
【第十条】この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
【第十一条】この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

平均賃金(12条)

算定事由発生日以前3か月間の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割る。賃金締切日があれば直前の賃金締切日から起算する。雇入後3か月未満の者は雇入後の期間で算定するが、この場合も締切日があれば直前の締切日から起算する(通達)。

項目内容
最低保障(日給・時給・出来高払)賃金総額÷その期間中に労働した日数×60%
控除する期間(3項)①業務上傷病の療養休業 ②産前産後休業 ③使用者の責めに帰すべき休業 ④育児休業・介護休業 ⑤試みの使用期間
賃金総額に算入しないもの(4項)臨時に支払われた賃金、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通貨以外で支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの
日日雇い入れられる者(7項)厚生労働大臣の定める金額
控除期間が3か月以上にわたる場合など算定できない場合(8項)厚生労働大臣の定めるところによる(規則で都道府県労働局長が定める)
ここが出る:算定事由発生日は、解雇予告手当なら「解雇の通告をした日」(同意を得て解雇日を変更しても当初の通告日)、休業手当なら休業日(2日以上なら最初の日)、減給の制裁なら「制裁の意思表示が相手方に到達した日」、災害補償なら事故発生日又は診断によって疾病の発生が確定した日。二暦日にわたる勤務の二暦日目に事由が発生したときは、始業時刻の属する日に発生したものとして扱う。
ひっかけ注意:分母は「労働日数」ではなく「総日数」。労働日数で割るのは最低保障の計算だけ。
2

労働契約・解雇

R6択3/R7択3/R8択2・選A

契約期間(14条)と労働条件の明示(15条)

【第十四条】労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない。
 一 専門的な知識、技術又は経験…であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者…との間に締結される労働契約
 二 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

満60歳以上かどうかは契約締結時の年齢で判断する。14条違反の罰則は使用者にのみ科される(労働者は処罰されない)。

雇止めの予告(14条2項の告示):有期労働契約を3回以上更新し、又は雇入れから1年を超えて継続勤務している者の契約を更新しない場合、少なくとも契約満了日の30日前までに予告する(あらかじめ更新しない旨を明示している場合を除く)。

15条の明示は、令和6年4月から、全ての労働契約の締結時と有期契約の更新時ごとに「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」も明示事項に加わった(施行規則5条)。明示された条件が事実と相違すれば、労働者は即時に契約を解除でき、就業のため住居を変更した者が解除日から14日以内に帰郷するときは使用者が旅費を負担する。解除できるだけでなく、明示どおりの履行を求めることも民事上は妨げられない。

労働者保護の禁止規定(16〜18条)

【第十六条】使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
【第十七条】使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

解雇制限(19条)と解雇予告(20・21条)

【第十九条】使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
項目解雇制限(19条)解雇予告(20条)
原則業務上傷病の療養休業期間+その後30日、産前産後休業期間+その後30日は解雇禁止30日前に予告、又は30日分以上の平均賃金(予告手当)。1日分払えばその日数を短縮できる
例外①打切補償を支払う場合(認定不要) ②天災事変その他やむを得ない事由で事業継続不可能(行政官庁の認定が必要)①天災事変等で事業継続不可能 ②労働者の責に帰すべき事由(いずれも認定が必要)
適用除外なし21条:日日雇入れ(1か月超で適用)、2か月以内の期間(所定期間超で適用)、季節的業務4か月以内(同)、試の使用期間中(14日超で適用)
ここが出る:治癒していなくても稼働できる程度に回復して出勤し平常どおり働いている者は「療養のために休業する期間」に当たらず、19条の制限を受けない(通達)。通勤災害・私傷病の休業も対象外。複数事業労働者がX社の業務で負傷した場合、解雇制限がかかるのはX社だけ。
ひっかけ注意:事業主の経済法令違反による設備没収、税金滞納による差押え、事業経営上の見通しの誤りなどは「やむを得ない事由」に当たらない(通達)。予告も予告手当もない解雇通知は即時解雇としては無効だが、使用者が即時解雇に固執しない限り、30日経過又は予告手当支払の時点で効力を生ずる(細谷服装事件・最判昭35.3.11)。

退職時の証明(22条)・金品の返還(23条)

【第二十二条】労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
【第二十三条】使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

証明書には労働者の請求しない事項を記入してはならない。解雇予告期間中に解雇理由の証明を請求されたときも遅滞なく交付する。23条は就業規則で通常の支払日に払うと定めていても、請求があれば7日以内に支払う必要がある(退職手当は就業規則等で定めた支払時期でよい:通達)。争いがあれば異議のない部分を7日以内に支払う。

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賃金の支払・休業手当

R6選C・択4/R7択4/R8択3

賃金支払の5原則(24条)

【第二十四条】賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
(2) 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。…
原則例外注意点
通貨払法令・労働協約(現物給与)、労働者の同意による口座振込・証券総合口座・デジタル払い(退職手当は小切手等も可)現物給与は労使協定では足りない(労働協約が必要)
直接払使者への支払は可親権者・代理人への支払は違反。労働者の委任による代理受領も無効
全額払法令(税・社会保険料)、労使協定(事理明白なもの:購買代金・社宅費・組合費等)過払いの翌月清算は時期・方法・金額が労働者の経済生活を脅かさない限り許される(調整的相殺:福島県教組事件)
毎月1回以上臨時の賃金・賞与等「毎月」は暦月(1日〜末日に1回以上)
一定期日同上「毎月第2土曜日」のような変動する定め方は不可

口座振込は、賃金支払日の午前10時頃までに払出しができる状態にすることが求められる(通達)。デジタル払いの指定資金移動業者は、口座残高の上限を100万円以下に保つ措置、破綻時の全額速やかな弁済の保証、不正取引の損失補償、最後の資金移動から少なくとも10年間の債務履行措置、ATM等で1円単位の受取と毎月1回以上手数料なしの受取ができる措置などの要件を満たす必要がある(施行規則7条の2)。

ここが出る:退職金の債権放棄の意思表示は、全額払の原則によって当然に否定されるものではないが、労働者の自由な意思に基づくものであることが明確でなければならない(シンガー・ソーイング・メシーン事件・最判昭48.1.19)。
ひっかけ注意:新給与の遡及支払で「支払日に在籍する者にのみ支給する」とすることは24条違反とならない(通達)。直接払違反で代理人に支払った後、代理人が本人に全額渡しても、24条違反の刑事責任は消えない。

非常時払(25条)・休業手当(26条)・出来高払の保障給(27条)

【第二十五条】使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
【第二十六条】使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
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労働時間・変形労働時間制・みなし労働時間

R6選B・択5/R8選B・択4

法定労働時間と労働時間の定義

【第三十二条】使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
(2) 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働契約・就業規則等の定めではなく客観的に定まる。業務の準備行為等を事業所内で行うことを義務付けられ又は余儀なくされたときは、社会通念上必要と認められる限り労働時間に当たる(三菱重工業長崎造船所事件・最判平12.3.9)。特例事業(常時10人未満の商業・映画演劇業(映画製作を除く)・保健衛生業・接客娯楽業)は週44時間。

変形労働時間制・フレックスタイム制

制度導入方法届出主な上限
1か月単位(32条の2)労使協定 又は 就業規則その他これに準ずるもの協定は届出要(就業規則は就業規則として届出)1か月以内の期間を平均し週40時間(特例44時間)
フレックス(32条の3)就業規則等で始業・終業を労働者の決定に委ねる+労使協定清算期間1か月超のみ届出要清算期間3か月以内。1か月超なら各月週平均50時間以内
1年単位(32条の4)労使協定届出要1日10時間・1週52時間、連続労働6日(特定期間は1週1日の休日が確保できる日数)、対象期間3か月超なら年280日
1週間単位非定型(32条の5)労使協定(常時30人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店)届出要1日10時間。各日の労働時間を前週末までに書面通知
【第三十二条の四の二】使用者が、対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、第三十七条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
ここが出る:1年単位の変形は、協定で特定した労働日・労働時間を対象期間の途中で変更できない(労使の合意で変更できる旨を定めても不可:通達)。32条の4の2の清算は途中採用者・途中退職者が対象で、育児休業等で労働しなかった期間がある者は対象とされていない(通達)。変形期間の起算日は就業規則や協定で明らかにする(施行規則12条の2)。
ひっかけ注意:常時10人未満の事業場でも1か月単位の変形は「就業規則その他これに準ずるもの」で導入でき、必ずしも就業規則の作成は要しない。満18歳未満には変形・フレックスは原則適用されないが、週48時間・1日8時間の範囲で1か月単位・1年単位の変形は可(60条3項2号)。

非常災害(33条)とみなし労働時間制

【第三十八条の二】労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。

適用除外(41条)

農業・畜産・水産業の従事者、管理監督者・機密事務取扱者、監視・断続的労働で行政官庁の許可を受けた者には、労働時間・休憩・休日の規定が適用されない。ただし深夜割増と年次有給休暇は適用される。

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休憩・休日・36協定

R6択5イ/R7択5
【第三十四条】使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(2) 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、…書面による協定があるときは、この限りでない。
(3) 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
【第三十五条】使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。(2) 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

一斉休憩の例外は労使協定(届出不要)のほか、運輸交通・商業・金融広告・映画演劇・郵便電気通信・保健衛生・接客娯楽・官公署の事業(施行規則31条)。休日は原則として暦日(午前0時から24時間)の休業をいう。振替休日は事前に振り替えれば休日労働にならないが、代休は休日労働の事後の措置であり割増賃金が必要。

36協定

区分上限
限度時間(原則)1か月45時間・1年360時間(3か月超の1年単位変形は42時間・320時間)
特別条項時間外+休日で1か月100時間未満、時間外で年720時間以内、45時間超は年6か月以内
実労働の規制(36条6項)坑内労働等の有害業務は1日2時間以内、時間外+休日が1か月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内
適用除外新技術・新商品等の研究開発業務(36条11項)
ここが出る:協定は事業場単位。企業全体で過半数の組合でも、その事業場の労働者の過半数で組織されていなければ協定当事者になれない(通達)。過半数の母数には管理監督者・年少者など時間外労働を考える余地のない者も含む。締結後に過半数代表者が死亡・退職しても協定の効力は失われない。親睦団体の代表者が自動的に締結した協定は無効(トーコロ事件・最判平13.6.22)。過半数代表者は管理監督者でなく、協定締結者を選出することを明らかにした民主的な手続で選ばれた者で、使用者の意向で選ばれた者ではないこと(施行規則6条の2)。使用者は過半数代表者の事務遂行に必要な配慮(事務機器・事務スペースの提供等)を行う。
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割増賃金

R7択6/R8択5
【第三十七条】使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
(5) 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
区分割増率
時間外労働25%以上(月60時間超の部分は50%以上。超過分は協定により代替休暇も可)
休日労働(法定休日)35%以上(政令)
深夜労働(22時〜5時)25%以上。時間外と重なれば50%以上、休日と重なれば60%以上

割増賃金の基礎から除外できるのは、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類に限る(限定列挙。施行規則21条)。名称ではなく実質で判断し、扶養家族数や通勤距離・住宅費用と無関係に一律に支給されるものは除外できない。

ここが出る:通勤手当のうち一律支給部分は算入し、距離に応じた部分だけ除外できる。住宅の形態ごとに一律定額(賃貸2万円・持家1.5万円など)の住宅手当は除外できない。年俸制で賞与額が確定しているものは「賞与」に当たらず基礎に算入する。時間外に特殊作業に従事した場合はその特殊作業手当を算入する。手術手当は手術以外の業務の時間外労働については算入しなくてよい。
ひっかけ注意:1時間当たりの賃金は、月給なら「月給÷1年間の月平均所定労働時間」(施行規則19条)。所定労働時間の計算で休憩時間を引き忘れない。
7

年次有給休暇

R6択6/R8択6
【第三十九条】使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
継続勤務6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年6か月以上
通常10111214161820
週4日(年169〜216日)78910121315
週3日(年121〜168日)566891011
週2日(年73〜120日)3445667
週1日(年48〜72日)1222333

比例付与の対象は「週所定労働時間30時間未満」かつ「週所定労働日数4日以下(年216日以下)」の労働者。週5日勤務なら1日4時間でも通常どおり10日、週32時間なら週4日でも通常どおり10日。付与日数は基準日の所定労働日数で決まり、年度途中で所定労働日数が変わっても増減しない。

制度ポイント
時間単位年休(39条4項)労使協定(届出不要)。年5日以内。時季変更権は時間単位にも及ぶが、時間単位の請求を日単位に(又はその逆に)変えることは時季変更に当たらず不可
計画的付与(39条6項)労使協定(届出不要)。5日を超える部分が対象
使用者の時季指定義務(39条7項)付与日数10日以上の者に、基準日から1年以内に5日。労働者が取得した日数・計画付与分は差し引ける。半日単位の取得は0.5日として含むが、時間単位の取得分は含まない。前倒し付与した場合は付与日から1年以内
年次有給休暇管理簿時季・日数・基準日を労働者ごとに記載。当該期間中及び期間満了後5年間保存(経過措置により当分の間3年)
出勤とみなす期間(39条10項)業務上傷病の療養休業、育児休業・介護休業、産前産後休業(通達で年休取得日も)。生理休暇は含まれない
ここが出る:定年退職後の嘱託再雇用は、退職手当が支給されていても継続勤務として通算する(実態判断。相当期間が空き客観的に断続していれば別)。
ひっかけ注意:時間単位年休の協定も計画付与の協定も届出不要。一方で、年休中の賃金を健康保険の標準報酬月額相当額で払う場合は労使協定が必要(届出不要)。
8

年少者・妊産婦等

R6選A/R7選C
【第五十六条】使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない。
項目内容
最低年齢の例外(56条2項)非工業的業種で健康・福祉に有害でない軽易な労働は満13歳以上、映画製作・演劇は満13歳未満も、行政官庁の許可で修学時間外に使用可
年齢証明(57条)満18歳未満は戸籍証明書を事業場に備付け
未成年者(58・59条)親権者・後見人が代わって労働契約を締結することは禁止。賃金は未成年者が独立して請求でき、親権者等が代わって受け取ってはならない
労働時間(60条)変形労働時間制・フレックス・36協定・特例44時間・高プロは適用しない。例外:週40時間内で1日4時間以内に短縮すれば他の日10時間まで、週48時間・1日8時間の範囲で1か月・1年単位の変形可
深夜業(61条)22時〜5時は禁止。交替制の満16歳以上の男性は例外
帰郷旅費(64条)解雇の日から14日以内に帰郷する場合は使用者負担(本人の責に帰すべき事由で認定を受けた場合を除く)
【第六十五条】使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
(2) 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
ここが出る:産前産後休業は有給である必要はない。しかし賞与の出勤率算定で産前産後休業等を欠勤扱いにする90%条項は、権利の行使を抑制し、労基法等が上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合に限り、公序に反し無効となる(東朋学園事件・最判平15.12.4)。
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災害補償

R8選C・択1B
補償内容条文
療養補償必要な療養を行い又は費用を負担75条
休業補償療養中、平均賃金の60%76条
障害補償平均賃金×別表第2の日数(1級1,340日〜14級50日)77条
遺族補償平均賃金の1,000日分79条
葬祭料平均賃金の60日分80条
打切補償療養開始後3年を経過しても治らない場合、平均賃金の1,200日分81条
分割補償障害補償・遺族補償に替え、支払能力を証明し受給者の同意を得て6年にわたり毎年82条
【第八十一条】第七十五条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。
【第八十七条】厚生労働省令で定める事業が数次の請負によつて行われる場合においては、災害補償については、その元請負人を使用者とみなす。

労災保険法等で相当する給付が行われるべきときは、使用者は補償の責を免れる(84条)。ただし労災保険の休業補償給付は休業4日目からなので、最初の3日間は使用者が76条の休業補償を行う。補償を受ける権利は退職によって変更されず、譲渡・差押えも禁止(83条)。

ここが出る:打切補償を支払えば19条の解雇制限が解除される。労災保険の傷病補償年金を受けている場合は、療養開始後3年経過日(又はその後に受けることとなった日)に打切補償を支払ったものとみなされる(労災保険法19条)。
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就業規則・寄宿舎

R6択7/R7択7/R8択7
【第八十九条】常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
【第九十条】使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
【第九十一条】就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
区分事項
絶対的必要記載事項①始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制の就業時転換 ②賃金の決定・計算・支払方法、締切・支払時期、昇給 ③退職(解雇の事由を含む)
相対的必要記載事項退職手当、臨時の賃金等・最低賃金額、食費・作業用品等の負担、安全衛生、職業訓練、災害補償・業務外傷病扶助、表彰・制裁、その他全労働者に適用される定め
ここが出る:減給の制裁の平均賃金算定事由発生日は「減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日」(通達)。遅刻・早退の時間分の賃金カットは制裁ではないが、それを超える減給は制裁として91条の制限を受ける。
ひっかけ注意:寄宿舎規則(95条)は「起床・就寝・外出・外泊」「行事」「食事」「安全衛生」「建設物・設備の管理」が必要的記載事項で、作成・届出が必要。このうち「建設物・設備の管理」を除く1〜4号の事項については、寄宿する労働者の過半数を代表する者の同意が必要(就業規則の「意見聴取」と違う)。

所持品検査は、合理的理由に基づき、一般的に妥当な方法と程度で、制度として画一的に実施され、就業規則その他明示の根拠に基づいて行われるときは、特段の事情がない限り従業員に受忍義務がある(西日本鉄道事件・最判昭43.8.2)。

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雑則(周知・記録・付加金・時効)

R7選A・選B/R8択6C
【第百十四条】裁判所は、第二十条、第二十六条若しくは第三十七条の規定に違反した使用者又は第三十九条第九項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から五年以内にしなければならない。
【第百十五条】この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
項目本則当分の間(附則143条の経過措置)
賃金請求権の時効(退職手当を除く)5年3年
退職手当の請求権5年5年のまま
災害補償・年休その他の請求権2年2年
付加金の請求期間5年3年
記録の保存(109条:労働者名簿・賃金台帳等)5年3年
ここが出る:付加金の対象は解雇予告手当(20条)・休業手当(26条)・割増賃金(37条)・年休中の賃金(39条9項)の4つだけ。命じるのは裁判所で、労働基準監督署長ではない。

106条は、法令の要旨・就業規則・各種労使協定・労使委員会決議を、作業場の見やすい場所への掲示・備付け、書面交付、電子機器での常時確認などの方法で労働者に周知させることを求める。

過

過去問(令和6〜8年度)

選択式は労基安衛〔問1〕のうち労働基準法部分のA〜C、択一式は労働基準法の問1〜7を収録した(D・E、問8〜10は労働安全衛生法のため別単元)。令和8年度は公式正答が未公表のため、条文・通達・判例にもとづく解答を示す。

令和8年度(第58回)

選択 A〜C テーマ:退職時の証明/事業場外みなし(判例)/打切補償次の文中の空欄を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
  1. 1 労働基準法第22条第1項では、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、〔 A 〕これを交付しなければならない。」と規定されている。
  2. 2 最高裁判所は、外国人の技能実習に係る監理団体に雇用され、実習実施者の指導員として勤務していた被上告人の業務(訪問指導、送迎、生活指導、通訳等。自らスケジュールを管理し、直行直帰も許され、随時具体的な指示・報告もなかった)につき、労働基準法第38条の2の適用の可否が問題となった事件において、業務日報に関し、実習実施者等への確認が可能であること、業務日報を前提に残業手当を支払う場合もあったことを指摘してその正確性が担保されていたと評価した原審について、「業務日報の正確性の担保に関する具体的な事情を十分に検討することなく、業務日報による報告のみを重視して、本件業務につき本件規定にいう『〔 B 〕とき』に当たるとはいえないとしたものであり、このような原審の判断には、本件規定の解釈適用を誤った違法がある」と判示した。
  3. 3 労働基準法第81条は、「第75条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の〔 C 〕を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。」と定めている。
選択肢(労基部分に関係するもの):①7日以内に ②14日以内に ③1か月以内に ⑧1,000日分の打切補償 ⑨1,000日分の障害補償 ⑩1,200日分の打切補償 ⑪1,200日分の障害補償 ⑫一時的又は突発的に時間外労働を行わせる必要がある ⑬業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする ⑰始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした ⑲遅滞なく ⑳労働時間を算定し難い
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解答:A ⑲/B ⑳/C ⑩公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

A ⑲ 遅滞なく22条1項の文言どおり。7日以内は23条(金品の返還)、14日以内は15条3項・64条(帰郷旅費)の数字との混同を狙っている。労基法22条1項

B ⑳ 労働時間を算定し難い38条の2第1項の要件。⑬は38条の3(専門業務型裁量労働制)の協定事項、⑰は32条の3(フレックスタイム制)の要件、⑫は33条(非常災害)と紛らわしい語句。協同組合グローブ事件(最判令6.4.16)。労基法38条の2

C ⑩ 1,200日分の打切補償81条の文言どおり。1,000日分は79条の遺族補償。労基法81条

択一 問1 テーマ:総則(1〜12条)等/誤っているものはどれか労働基準法の総則(第1条〜第12条)等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 労働基準法第3条が禁止する「差別的取扱」をするとは、当該労働者を不利に取り扱うことをいい、有利に取り扱うことは含まれない。
  2. B 労働基準法第87条第1項によれば、建設の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人が使用者とみなされる。
  3. C 交通従業員の制服、工員の作業衣等業務上必要な被服は作業備品であるため、労働基準法第11条にいう賃金から除外されると解される。
  4. D 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間の日数及びその期間中の賃金は、平均賃金を算定する際の期間及び賃金の総額から控除される。
  5. E 使用者は、過半数代表者が協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならず、これには例えば、事務機器やシステム、事務スペースの提供を行うことが含まれると解される。
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解答:A公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

×A「差別的取扱」には不利な取扱いだけでなく有利な取扱いも含む(通達)。労基法3条

○B87条1項・施行規則48条の2(建設の事業)のとおり。労基法87条

○C業務上必要な被服は業務費(作業備品)であり賃金ではない(通達)。労基法11条

○D12条3項3号の控除期間。労基法12条3項

○E施行規則6条の2第4項の配慮義務とその解釈通達のとおり。労基則6条の2

択一 問2 テーマ:労働契約等/正しいものはいくつあるか労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
  1. ア 労働者は、民法第95条の錯誤の要件(重要なもの)に該当しないときであっても、労働基準法第15条によれば、単に明示された労働条件と事実が相違することのみをもって即時に労働契約を解除することができる。
  2. イ 労働基準法第16条の禁止する損害賠償額の予定は、労働契約の不履行に伴う損害賠償に限られ、不法行為の場合における損害賠償は含まれないと解される。
  3. ウ 労働基準法第17条は、使用者の側で行う前借金等と賃金の相殺を禁止しており、実質的にみて使用者の強制によるものと認められない限り、労働者が自己の意思によって相殺をすることは禁止されていない。
  4. エ 業務上負傷して療養していた労働者が、完全に治癒したのではないが、稼働し得る程度に回復したので出勤し、元の職場で平常通り稼働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を解雇予告手当を支給して即時解雇することは、同法第19条に定める解雇制限に違反すると解される。
  5. オ 使用者が予告期間をおかず、予告手当の支払もしないで解雇の通知をした場合、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後30日の期間を経過するか、又は予告手当の支払をしたときに解雇の効力を生ずるとするのが、最高裁判所の判例である。
A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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解答:C(三つ:ア・ウ・オ)公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答。イの根拠は要確認

○ア15条2項は、明示された労働条件が事実と相違すれば、錯誤の要件と関係なく即時解除を認める。労基法15条2項

×イ16条の趣旨(労働者の足止め防止)から、不法行為についての損害賠償額の予定も禁止の対象に含むと解される。「限られ」とする本肢は誤りと判断した(根拠となる通達の特定は要確認。なお予備校各社の速報も正解数を三つとしている)。労基法16条

○ウ労働者の自由意思による相殺は禁止されない(通達)。労基法17条

×エ稼働できる程度に回復して平常どおり就労している場合は「療養のために休業する期間」に当たらず、19条違反とはならない(通達)。労基法19条

○オ細谷服装事件(最判昭35.3.11)の判旨。労基法20条

択一 問3 テーマ:賃金等/正しいものはどれか労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 9月1日に当該年の1月からの新給与を決定し遡及支払を行う場合、同年1月以降8月31日までの退職者については賃金差額を支給しないと規定することは、労働基準法第24条違反となると解される。
  2. B 口座振込について、例えば所定の賃金支払日が毎月15日である企業において、「振込み」は、振り込まれた賃金の全額が当該振り込まれた月の末日までに払い出し得るように行われることを要すると解される。
  3. C 賃金控除の労使協定がある場合には、購買代金、社宅・寮その他の福利厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なもののほか、実物給与として支給した部分の金額も賃金から控除することが認められると解される。
  4. D 賃金は、毎月1回以上支払わなければならないが、「毎月」とは、暦に従うものと解されるから、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回は賃金を支払わなければならない。
  5. E 直接払の原則に違反して代理人に賃金を支払った場合でも、代理受領者が本人に賃金全額を渡したときには、民事上有効な弁済となり、その限度で使用者は二重払に応ずる必要はなく、同条違反の刑事責任を免れる。
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解答:D公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

×A遡及支払を支払日在籍者に限ることは24条違反とならない(通達)。労基法24条1項

×B所定の賃金支払日の午前10時頃までに払い出し得るように行う必要がある(通達)。

×C労使協定で控除できるのは事理明白なものに限られ、実物給与(現物給与)は通貨払の例外として労働協約の定めが必要であり、協定による控除の対象とはならない。

○D「毎月」は暦月であり、毎月1日から末日までに少なくとも1回支払う(通達)。労基法24条2項

×E民事上の弁済の効果がどうであれ、代理人に支払った時点で24条違反が成立し、刑事責任は免れない。

択一 問4 テーマ:1年単位の変形労働時間制/正しいものはどれか労働基準法第32条の4に定めるいわゆる1年単位の変形労働時間制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 労使協定において、労使双方が合意すれば協定期間中であっても一部を変更することがある旨が明記されていれば、特定された日又は週の労働時間を対象期間の途中で変更することができる。
  2. B 使用者は、対象期間中に育児休業や産前産後の休業により労働せず、実際の労働期間が対象期間よりも短い者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(33条・36条1項による時間を除く。)の労働については、37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
  3. C 対象期間において連続して労働させることができる日数の限度は、特定期間として定められた期間を含め、6日である。
  4. D 使用者は、1年単位の変形労働時間制により労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において、対象期間の起算日を明らかにするものとされている。
  5. E 使用者は、満15歳以上で満18歳に満たない者について、1日10時間、1週52時間の範囲内で1年単位の変形労働時間制によって労働させることができる。
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解答:D公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答。Bの根拠は要確認

×A労使の合意で変更する旨を定めても、対象期間の途中で特定した労働日・労働時間を変更することはできない(通達)。

×B32条の4の2の清算の対象は、途中採用者・途中退職者など対象期間の途中で制度の適用が始まり又は終わった者であり、育児休業・産前産後休業で労働しなかった期間がある者は対象とされていないと解される(通達。細部は要確認)。労基法32条の4の2

×C連続労働日数の限度は6日だが、特定期間は1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)まで可能(施行規則12条の4)。

○D施行規則12条の2第1項のとおり。

×E年少者の変形は1週48時間・1日8時間を超えない範囲に限られる。労基法60条3項2号

択一 問5 テーマ:割増賃金の基礎となる賃金(計算)/正しいものはどれか下記の労働条件で勤務する労働者(18歳未満の子を2人扶養)について、施行規則19条・21条に従い通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式のうち、正しいものはどれか。
基本給 月額400,000円/通勤手当 月額10,000円(通勤距離にかかわらず一律支給)/住宅手当 月額20,000円(賃貸住宅居住者は一律20,000円、持家居住者は一律15,000円)/生活手当 月額16,000円(18歳未満の子1人につき8,000円)/年間労働日数250日/所定労働時間 午前9時30分〜午後5時30分、休憩 正午から1時間
  1. A (400,000円+10,000円)÷(250×7÷12)
  2. B (400,000円+20,000円)÷(250×7÷12)
  3. C (400,000円+10,000円+20,000円)÷(250×7÷12)
  4. D 400,000円÷(250×7÷12)
  5. E (400,000円+10,000円+20,000円+16,000円)÷(250×7÷12)
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解答:C公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

○C通勤手当は距離にかかわらず一律支給なので除外できず算入。住宅手当は住宅の形態ごとに一律定額で、費用に応じた支給ではないので除外できず算入。生活手当は扶養する子の人数に応じて支給されるので実質は家族手当であり除外する。分母は1日7時間(8時間拘束−休憩1時間)×250日÷12か月の月平均所定労働時間。労基法37条5項労基則19条・21条

×A・B・D・EA・Bは住宅手当又は通勤手当の算入漏れ、Dは両方の算入漏れ、Eは家族手当に当たる生活手当を算入している。

択一 問6 テーマ:年次有給休暇/誤っているものはどれか労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 時間単位の有給休暇を与えるための労使協定は、労働基準監督署長へ届け出る必要はない。
  2. B 比例付与の対象となるパートタイム従業員について、基準日から次の基準日までの間に週所定労働日数が変更された場合、当該変更時点において、有給休暇の付与日数は増減されるものではない。
  3. C 使用者は、年次有給休暇管理簿を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後2年間保存しなければならない。
  4. D 時間単位の有給休暇も時季変更権の対象となるが、時間単位の請求を日単位に変更すること、日単位の請求を時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められない。
  5. E 定年退職者を引き続き嘱託社員として再採用している場合には、退職手当が支給されていても継続勤務年数は通算される。ただし、退職と再採用との間に相当期間が存し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合はこの限りではない。
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解答:C公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

○A39条4項の協定は届出を要しない。労基法39条4項

○B付与日数は基準日時点の所定労働日数で決まり、途中の変更で増減しない(通達)。

×C管理簿は期間中及び期間満了後5年間(経過措置により当分の間3年間)保存する(施行規則24条の7)。2年ではない。

○D通達のとおり。労基法39条5項

○E継続勤務は実態で判断する(通達)。

択一 問7 テーマ:就業規則/誤っているものの組合せ労働基準法に定める就業規則に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
  1. ア 就業規則の届出に添付する意見書の内容が当該就業規則に全面的に反対するものであっても、その効力の発生についての他の要件を具備する限り、就業規則の効力には影響はない。
  2. イ 派遣労働者については、就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者とを合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。
  3. ウ 介護休業についても付与要件・手続・休業期間は就業規則に記載される必要があるが、同法の定めるところにより介護休業を与える旨の定めがあれば、記載義務は満たしていると解される。
  4. エ 本社で一括して就業規則の作成等を行い、各事業場分の届出を本社の所轄労働基準監督署長へ一括して行う場合において、本社及び各事業場に労働組合がないときは、本社の労働者の過半数を代表する者の意見を記したもののみを添付すればよい。
  5. オ 減給の制裁の計算の基礎となる平均賃金を算定すべき事由の発生した日とは、当該減給の制裁事由が発生した日である。
A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) D(ウとオ) E(エとオ)
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解答:E(エとオ)公式正答は未公表(2026年10月の合格発表で公表予定)。条文にもとづく解答

○ア90条は意見を聴く義務であり、同意は要件でない(通達)。労基法90条

○イ派遣元が作成義務を負う(労働者派遣法44条等・通達)。労基法89条

○ウ育児休業と同様の取扱い(通達)。

×エ一括届出の場合でも、各事業場ごとの過半数組合又は過半数代表者の意見書を添付する必要がある(通達)。労基法90条2項

×オ算定事由発生日は、減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日(通達)。労基法91条

令和7年度(第57回)

選択 A〜C テーマ:付加金/産前産後休業と賞与(判例)次の文中の空欄を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
  1. 1 労働基準法第114条は、〔 A 〕は、同法第37条の規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、同条の規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の〔 B 〕の支払を命ずることができる旨規定している。
  2. 2 最高裁判所は、出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする条項(本件90%条項)の出勤日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが労働基準法65条等に反するか等が問題となった事件において、「労働基準法65条は、産前産後休業を定めているが、産前産後休業中の賃金については何らの定めを置いていないから、産前産後休業が有給であることまでも保障したものではない…。本件各回覧文書によって具体化された本件90%条項は、労働基準法65条で認められた産前産後休業を取る権利〔…〕に基づく不就労を含めて出勤率を算定するものであるが、上述のような労働基準法65条〔…〕の趣旨に照らすと、これにより上記権利等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等が〔 C 〕場合に限り、公序に反するものとして無効となると解するのが相当である」と判示した。
選択肢(労基部分に関係するもの):①慰謝料 ②厚生労働大臣 ③裁判所 ⑤使用者に労働者の仕事と生活の調和にも配慮することを規定している趣旨を実質的に失わせるものと認められる ⑥上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる ⑩遅延損害金 ⑪同法等に違反する行為に罰則を設けている意味を没却させる ⑫都道府県労働局長 ⑬賠償金 ⑯付加金 ⑱労働基準監督署長 ⑳労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとしている意味を没却させる
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正解:A ③/B ⑯/C ⑥公式正答

A ③ 裁判所付加金の支払を命ずるのは裁判所。行政機関(大臣・局長・署長)ではない。労基法114条

B ⑯ 付加金未払金と同一額の付加金。遅延損害金・慰謝料とは別物。労基法114条

C ⑥ 上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる東朋学園事件(最判平15.12.4)の判示。権利行使を抑制し、法が権利を保障した趣旨を実質的に失わせる場合に限り公序違反で無効となる。

択一 問1 テーマ:総則(1〜12条)等/正しいものはいくつあるか労働基準法の総則(第1条〜第12条)等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
  1. ア 第5条の「労働者の意思に反して労働を強制」するとは、不当なる手段を用いることによって、使用者が労働者の意識ある意思を抑圧し、その自由な発現を妨げて、労働すべく強要することをいい、必ずしも労働者が現実に労働することを必要としない。
  2. イ 第6条の「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいい、1回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば、これに当たる。
  3. ウ 労働審判員や裁判員としての職務は第7条の「公の職務」に該当するため、使用者はこれを拒んではならないが、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。
  4. エ 第9条の「労働者」とは、他人との間に使用従属の関係に立って労務に服し、報酬を受けて生活する者をいい、現に就業していると否とを問わないから、失業者をも含む。
  5. オ 労働者が自己を被保険者として任意に保険契約を締結したときに企業が保険料の補助を行う場合、その保険料補助金は福利厚生のために使用者が負担するものであるから、第11条の「賃金」とは認められない。
A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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正解:D(四つ:ア・イ・ウ・オ)公式正答

○ア通達の定義どおり。現実の労働は不要。労基法5条

○イ反復継続の意思があれば1回でも該当(通達)。労基法6条

○ウ労働審判員・裁判員は公の職務に当たる(通達)。時刻の変更は可。労基法7条

×エ本肢の定義は労働組合法3条の労働者に近いもの。労基法9条の労働者は「事業に使用される者」であり、失業者は含まない。労基法9条

○オ福利厚生のための使用者負担であり賃金ではない(通達)。労基法11条

択一 問2 テーマ:平均賃金/誤っているものはどれか労働基準法第12条に定める平均賃金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 令和7年1月1日から日給1万円、毎月20日締切・当月25日支払で雇われている労働者について、同年7月15日に算定事由が発生した。1月支払分から6月支払分までいずれも労働日数は月10日で支払額は各月10万円、控除期間はない。この場合の平均賃金の額は6,000円である。
  2. B 解雇予告手当を算定する際の算定事由発生日は「労働者に解雇の通告をした日」であり、その後、労働者の同意を得て解雇日を変更した場合においても、当初の解雇を通告した日とするものとされている。
  3. C 所定労働時間が二暦日にわたる勤務を行う労働者について、当該勤務の二暦日目に算定事由が発生した場合においては、当該勤務の始業時刻の属する日に当該事由が発生したものとして取り扱うこととされている。
  4. D 雇入れ後3か月未満の労働者について算定事由が発生した場合には、算定事由発生日前に賃金締切日があるか否かにかかわらず、雇入れ後の期間とその期間中の賃金の総額で算定することとされている。
  5. E 控除期間が、算定事由の発生した日以前3か月以上にわたる場合の平均賃金は、都道府県労働局長がこれを定めることとされている。
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正解:D公式正答

○A直前の締切日6月20日から遡る3か月(3/21〜6/20=92日)の賃金は30万円。原則は300,000÷92≒3,260円だが、最低保障は300,000÷30日(労働日数)×60%=6,000円となり、高い方の6,000円。労基法12条1項1号・2項

○B通達のとおり。

○C通達のとおり。

×D雇入後3か月未満でも、賃金締切日があれば直前の賃金締切日から起算する(通達)。「締切日の有無にかかわらず」が誤り。労基法12条6項

○E12条8項に基づき施行規則4条で都道府県労働局長が定める。

択一 問3 テーマ:労働契約等/正しいものはどれか労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 第14条第1項第2号の満60歳以上の労働者との労働契約の上限5年について、満60歳以上であるかどうかは当該労働契約締結時の年齢で判断される。
  2. B 第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条同項には使用者とも労働者とも規定されていないことから、使用者と労働者の双方に罰則が適用される。
  3. C 明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができるにとどまり、明示されたとおりの労働条件の履行を使用者に要求することはできない。
  4. D 事業主が同一人でないX社とY社に使用される労働者が、X社の業務により負傷し、その療養のために休業する期間及びその後30日間については、X社もY社も当該労働者を解雇してはならない。
  5. E 事業主が犯した経済法令違反を原因として諸機械、資材等を没収され、事業の継続が不可能となったときは、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」に該当するから、解雇の予告を行う必要はない。
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正解:A公式正答

○A契約締結時の年齢で判断する(通達)。労基法14条1項2号

×B罰則(120条)は使用者にのみ適用される。

×C15条2項は即時解除権を与えるものであり、明示された条件の履行を求めることを否定するものではない。

×D解雇制限を受けるのは業務災害が生じたX社のみ。Y社の業務による負傷ではないので、Y社には19条の制限は及ばない。労基法19条

×E事業主の経済法令違反による没収は「やむを得ない事由」に当たらない(通達)。労基法20条

択一 問4 テーマ:賃金等/正しいものはどれか労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 労使協定がある場合においては、賃金を前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と相殺することができる。
  2. B 第24条第1項は、使用者の意思で本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の意思で第三者に賃金受領権限を与えようとする委任、代理等の法律行為は無効となるものではない。
  3. C 日給月給制で毎月15日に当月分を前払いするX社で、8月21日から25日までの5日間ストライキが行われた場合、9月15日の賃金支払いにおいて前月のストライキ5日間分を控除して支払うことは、賃金全額払原則に違反する。
  4. D 非常時払を請求する場合には、使用者は、特約のない限り、いまだ労務の提供のない期間に対する賃金も含めて支払期日前に支払う義務を負う。
  5. E 使用者の責に帰すべき事由による休業期間中であっても、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当を支払う義務は生じない。
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正解:E公式正答

×A前借金相殺の禁止は労使協定でも解除できない。労基法17条

×B労働者の委任による代理人への支払も直接払違反であり、賃金受領権限を与える委任・代理の法律行為は無効と解される(通達)。

×C前月分の過払いを翌月の賃金で清算する程度は、賃金の実態からみてやむを得ず、全額払違反とならない(通達、調整的相殺の判例法理)。

×D非常時払の対象は「既往の労働に対する賃金」に限られる。労基法25条

○E休日には休業手当の支払義務はない(通達)。労基法26条

択一 問5 テーマ:36協定/誤っているものはどれか労働基準法第36条に定める時間外・休日労働協定(協定)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 労働者数が本社・X支店・Y支店の合計で180人の企業において、100人の労働者で組織する労働組合があるとき、いずれの事業場においても労働者側の協定当事者は、それぞれの事業場の労働組合員数にかかわらず、その労働組合となる。
  2. B 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」が、協定締結後に死亡した場合であっても、当該協定の効力は失われない。
  3. C 「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、管理監督者、監視・断続的労働従事者で許可を受けた者、満18歳に満たない者などの時間外・休日労働を考える余地のない者を含む全ての労働者と解すべきであるとされている。
  4. D 協定当事者である使用者は、第10条の「使用者」であるから、各事業場の長ではなく、株式会社の社長自らが協定当事者となることも可能である。
  5. E 法人の役員を含む全従業員により構成され、労働組合とは認められない親睦団体の代表者が自動的に協定を締結したにすぎない場合、当該代表者は「労働者の過半数を代表する者」に当たらないとされている。
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正解:A公式正答

×A過半数は事業場ごとに判断する。企業全体で過半数でも、ある事業場の労働者の過半数で組織されていなければ、その事業場では協定当事者になれない(通達)。労基法36条1項

○B締結時に適法に選ばれていれば、その後の死亡・退職で効力は失われない(通達)。

○C通達のとおり。

○D10条の使用者であればよく、社長自らが当事者となることもできる。

○Eトーコロ事件(最判平13.6.22)。

択一 問6 テーマ:割増賃金の基礎となる賃金/正しいものはどれか労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 通勤手当を月額1,000円までは距離にかかわらず一律に、1,000円を超える場合は実際距離に応じた額を支給する場合、一律に支給される1,000円を含む通勤手当全額を算入しなくとも差し支えない。
  2. B 手術に従事した医師に支払われる手術手当は、手術以外の業務で法定時間外労働を行った場合においても、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければならない。
  3. C 通常は事務作業に従事している労働者が、法定労働時間外に特殊作業手当が支払われる現場作業に従事した場合、当該現場作業は「通常の労働時間」に該当しないので、特殊作業手当は算入しなくとも差し支えない。
  4. D 年俸制で賞与の支給額が確定しており、毎月支払部分と賞与とが明確に区分されている場合には、当該賞与額を算入しなくとも差し支えない。
  5. E 正規の勤務時間の一部又は全部が午後10時から午前5時までの間に行われる看護業務に従事したとき勤務1回につき3,000円支払う夜間看護手当は、通常の労働時間又は労働日の賃金とは認められないから、算入しなくとも差し支えない。
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正解:E公式正答

×A一律支給の1,000円部分は除外できず算入する。距離に応じた部分のみ除外可(通達)。

×B手術以外の業務での時間外労働については、手術手当は「通常の労働時間の賃金」ではなく算入しなくてよい(通達)。

×C時間外に従事した特殊作業に対する割増賃金は、その作業の手当を基礎に算入して計算する(通達)。

×D支給額が確定している賞与は施行規則21条の「賞与」に当たらず、算入する(通達)。

○E夜間看護手当は深夜勤務そのものに対する手当であり、割増賃金の基礎に算入しなくてよい(通達)。労基法37条

択一 問7 テーマ:就業規則/誤っているものはどれか労働基準法に定める就業規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 就業規則を作成した使用者は、備え付けている場所等を労働者に示すこと等により、労働者が必要なときに容易に確認できる状態にする必要がある。
  2. B 所持品検査は、合理的理由に基づいて、一般的に妥当な方法と程度で、制度として画一的に実施されるものでなければならず、就業規則その他明示の根拠に基づいて行われるときは、特段の事情がない限り、従業員は検査を受忍すべき義務があるとするのが、最高裁判所の判例である。
  3. C シフト制の労働者について、就業規則に「個別の労働契約による」「シフトによる」との記載のみにとどめた場合、作成義務を果たしたことにならないが、基本となる始業及び終業の時刻や休日を定めた上で「具体的にはシフトによる」旨を定めることは差し支えない。
  4. D 就業規則の届出に添付すべき意見を記した書面は、労働者を代表する者の氏名を記載しただけでは足りず、この者の押印もなければならない。
  5. E 遅刻・早退の時間分の減給は、減給の制裁に関する規定の適用を受けないが、その時間に対する賃金額を超える減給は制裁とみなされ、同条の規定の適用を受ける。
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正解:D公式正答

○A周知義務(106条・施行規則52条の2)の解釈どおり。労基法106条

○B西日本鉄道事件(最判昭43.8.2)。

○Cシフト制に関する通達のとおり。労基法89条1号

×D令和3年の施行規則改正で押印・署名は不要となり、氏名の記載で足りる。労基法90条2項

○E通達のとおり。労基法91条

令和6年度(第56回)

選択 A〜C テーマ:最低年齢/労働時間の定義(判例)/退職金債権放棄(判例)次の文中の空欄を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
  1. 1 年少者の労働に関し、最低年齢を設けている労働基準法第56条第1項は、「使用者は、〔 A 〕、これを使用してはならない。」と定めている。
  2. 2 最高裁判所は、始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するかが問題となった事件において、「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の〔 B 〕に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の〔 B 〕に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない…」と判示した。
  3. 3 最高裁判所は、賃金に当たる退職金債権放棄の効力が問題となった事件において、全額払の原則が労働者の退職金債権放棄の意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解することはできないとしつつ、「右意思表示の効力を肯定するには、それが上告人の〔 C 〕ものであることが明確でなければならないものと解すべきである」と判示した。
選択肢(労基部分に関係するもの):④管理監督下 ⑦権利濫用に該当しない ⑨指揮命令下 ⑩児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで ⑪児童が満18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで ⑫支配管理下 ⑬自由な意思に基づく ⑭従属関係下 ⑮退職金債権放棄同意書への署名押印により行われた ⑯退職に接着した時期においてされた ⑲満15歳に満たない者については ⑳満18歳に満たない者については
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正解:A ⑩/B ⑨/C ⑬公式正答

A ⑩ 児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで56条1項の文言どおり。「満15歳に満たない者」では義務教育終了までの期間を表せない。労基法56条1項

B ⑨ 指揮命令下三菱重工業長崎造船所事件(最判平12.3.9)。「支配管理下」「管理監督下」はダミー。

C ⑬ 自由な意思に基づくシンガー・ソーイング・メシーン事件(最判昭48.1.19)。署名押印の有無や時期は形式にすぎず、自由な意思に基づくことが明確であることが要件。労基法24条1項

択一 問1 テーマ:総則(1〜12条)/正しいものはどれか労働基準法の総則(第1条〜第12条)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 第1条にいう「人たるに値する生活」とは、社会の一般常識によって決まるものであるとされ、具体的には、「賃金の最低額を保障することによる最低限度の生活」をいう。
  2. B 「第3条は信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、特定の信条を有することを雇入れを拒む理由として定めることも、労働条件に関する差別取扱として同条に違反する」とするのが、最高裁判所の判例である。
  3. C 女性労働者が平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いことが認められたため、男女間で異なる昇格基準を定めていることにより賃金格差が生じた場合には、第4条違反とはならない。
  4. D 在籍型出向の出向労働者については、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて出向元の使用者又は出向先の使用者が、労働基準法等における使用者としての責任を負う。
  5. E 所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは第11条にいう「賃金」とみなさない。
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正解:D公式正答

×A「人たるに値する生活」は標準家族の生活をも含めて考えるものであり、最低賃金による最低限度の生活に限定されない(通達)。労基法1条

×B三菱樹脂事件(最大判昭48.12.12)は、3条は雇入れ後の労働条件についての制限であり、雇入れそのものを制約する規定ではないとした。労基法3条

×C女性の平均的な能率・勤続年数を理由に賃金に差をつけることは4条違反となる(通達)。労基法4条

○D在籍型出向についての通達のとおり。労基法10条

×E貨幣賃金の代わりに支給するものは賃金とみなす(通達)。労基法11条

択一 問2 テーマ:事業・使用者・労働契約の解釈/正しい組合せはどれか労働基準法の解釈に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せとして、正しいものはどれか。
  1. ア 一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、従事労働者、労務管理等が明確に区別され、切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とする。
  2. イ 「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいい、「賃金」とは、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
  3. ウ 労働契約とは、本質的には民法の雇用契約や労働契約法の労働契約と基本的に異なるものではないが、民法上の雇用契約にのみ限定して解されるべきものではなく、委任契約、請負契約等、労務の提供を内容とする契約も労働契約として把握される可能性をもっている。
A(ア○イ○ウ○) B(ア○イ○ウ×) C(ア○イ×ウ○) D(ア×イ○ウ×) E(ア×イ×ウ○)
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正解:C公式正答

○ア「事業」の単位に関する通達のとおり。

×イ10条の使用者は「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」。「賃金を支払う者」という定義ではない。労基法10条

○ウ契約の形式ではなく実態(使用従属関係)で判断するという考え方(労働基準法研究会報告等)。

択一 問3 テーマ:労働契約等/誤っているものはどれか労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 有期労働契約(3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
  2. B 労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。
  3. C 労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、第16条に抵触するものではない。
  4. D 労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。
  5. E 就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。
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正解:E公式正答

○A有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準(告示)のとおり。労基法14条2項

○B令和6年4月施行の施行規則5条改正のとおり。労基法15条1項

○C禁止されるのは金額の予定であり、実損額の請求の約定は抵触しない(通達)。労基法16条

○D18条4項の文言どおり。労基法18条4項

×E就業規則の定めにかかわらず、権利者の請求があれば7日以内に支払わなければならない(通達)。労基法23条

択一 問4 テーマ:賃金のデジタル払い/誤っているものはどれか指定資金移動業者の要件(労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号)として、誤っているものはどれか。
  1. A 口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が500万円を超えることがないようにするための措置又は500万円を超えた場合に速やかに500万円以下とするための措置を講じていること。
  2. B 破産手続開始の申立てを行ったときその他債務の履行が困難となったときに、労働者に対して負担する債務の全額を速やかに弁済することを保証する仕組みを有していること。
  3. C 労働者の意に反する不正な為替取引その他労働者の責めに帰することができない理由で損失が生じたときに、当該損失を補償する仕組みを有していること。
  4. D 特段の事情がない限り、口座に係る資金移動が最後にあった日から少なくとも10年間は、債務を履行することができるための措置を講じていること。
  5. E ATMその他の通貨による受取ができる方法により1円単位で受取ができるための措置及び少なくとも毎月1回は手数料その他の費用を負担することなく受取ができるための措置を講じていること。
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正解:A公式正答

×A口座残高の上限は100万円。500万円ではない。労基則7条の2

○B破綻時の保証の要件。

○C不正取引等の損失補償の要件。

○D最後の資金移動から少なくとも10年間の債務履行措置。

○E1円単位の受取と毎月1回以上の手数料無料の受取。

択一 問5 テーマ:労働時間制度/正しいものはいくつあるか労働基準法に定める労働時間に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
  1. ア 1か月単位の変形労働時間制を適用するに当たっては、常時10人未満の労働者を使用する使用者であっても必ず就業規則を作成し、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定めをしなければならない。
  2. イ 使用者は、第33条の「災害その他避けることのできない事由」に該当する場合であっても、第34条の休憩時間を与えなければならない。
  3. ウ テレワークにおいては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」さえ満たせば、事業場外みなし労働時間制を適用することができる。
  4. エ 専門業務型裁量労働制を適用するに当たっては、労使協定により、「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければならない。
  5. オ 高度プロフェッショナル制度は、委員会の決議が単に行われただけでは足りず、使用者が当該決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、導入することができる。
A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
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正解:C(三つ:イ・エ・オ)公式正答

×ア1か月単位の変形は労使協定又は「就業規則その他これに準ずるもの」で導入でき、10人未満の事業場は「これに準ずるもの」でもよい。労基法32条の2

○イ33条で延長できるのは労働時間と休日であり、34条の休憩は対象外。労基法33条

×ウ「随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと」も必要(テレワークガイドライン)。「さえ満たせば」が誤り。労基法38条の2

○エ令和6年4月施行の施行規則24条の2の2の改正で協定事項に追加された。労基法38条の3

○オ決議に加えて行政官庁への届出が要件。労基法41条の2

択一 問6 テーマ:年次有給休暇/正しいものはどれか労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. A 月曜日から金曜日まで1日4時間の週5日労働(週20時間)の労働者が、6か月継続勤務し8割以上出勤した場合に付与される年次有給休暇は、5労働日である。
  2. B 月曜日から木曜日まで1日8時間の週4日労働(週32時間)の労働者が、6か月継続勤務し8割以上出勤した場合に付与される年次有給休暇は、10日×4日/5.2日≒7.69日の端数を切り捨てて7労働日である。
  3. C 令和6年4月1日入社と同時に10労働日の年次有給休暇を付与した使用者は、このうち5日については、令和7年9月30日までに時季を定めることにより与えなければならない。
  4. D 使用者の時季指定による年5日の取得について、労働者が半日単位で取得した日数分は第39条第8項の「日数」に含まれ、時季指定を要しないが、時間単位で取得した分は「日数」には含まれないとされている。
  5. E 産前産後休業期間及び生理日の就業が著しく困難な女性が第68条の規定によって就業しなかった期間は、第39条第1項の適用においては、出勤したものとみなす。
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正解:D公式正答

×A週5日勤務は比例付与の対象外(週4日以下の要件を満たさない)。通常どおり10労働日。労基法39条3項

×B週所定労働時間が30時間以上なので比例付与の対象外。10労働日。

×C入社日に10日を前倒し付与した場合、時季指定の期限はその付与日から1年以内(令和7年3月31日まで)。労基法39条7項

○D通達のとおり。労基法39条8項

×E出勤とみなすのは業務上傷病の療養休業・育児介護休業・産前産後休業。生理休暇は含まれない。労基法39条10項

択一 問7 テーマ:就業規則等/誤っているものはどれか労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. A 第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部が記載されていない就業規則は他の要件を具備していても無効とされている。
  2. B 寄宿舎規則の「起床、就寝、外出及び外泊」「行事」「食事」「安全及び衛生」「建設物及び設備の管理」に関する事項は必要的記載事項であるから、そのいずれか一つを欠いても届出は受理されない。
  3. C 同一事業場において、第3条に反しない限り、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えないが、その場合には2以上の就業規則を合したものが第89条の就業規則となる。
  4. D 育児休業も第89条第1号の休暇に含まれ、付与要件、手続、休業期間については、就業規則に記載する必要がある。
  5. E 第41条第3号の監視・断続的労働従事者で許可を受けたものは労働時間に関する規定が適用されないが、就業規則には始業及び終業の時刻を定めなければならない。
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正解:A公式正答

×A絶対的必要記載事項の一部を欠いても、他の要件を具備すれば就業規則の効力は発生する(89条違反の責任は別)(通達)。労基法89条

○B95条1項の5事項は必要的記載事項であり、欠けば届出は受理されない(通達)。労基法95条

○C通達のとおり。

○D通達のとおり。

○E通達のとおり。