労働基準法 全50問 一問一答 完全マスター

社労士試験対策 / ◯×形式で「なぜ×なのか」を瞬時に言えるように
出典:アガルート「最短ルートTV」池田公平講師
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🎯 労基法 最大の原則 =「実態判断」
社労士試験は形式判断ではなく実態判断。契約書の名称(請負・委任など)や肩書きではなく、実際の使用従属関係・労働者保護になっているかで判断します。迷ったら「労働者保護になる方向はどちらか」で考えるのが鉄則。

目次(全10分野・50問)

  1. 労働憲章(6問)
  2. 適用関係・定義(5問)
  3. 労働契約(8問)
  4. 賃金(10問)
  5. 労働時間・休憩・休日(7問)
  6. 年次有給休暇(2問)
  7. 年少者(2問)
  8. 妊産婦等(5問)
  9. 就業規則(4問)
  10. 雑則・罰則(1問)
1

労働憲章

6問
Q1
H30-4イ|法3条
労基法3条にいう「賃金・労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とは言えないため、労働協約や就業規則等で解雇理由が規定されていても労働条件には当たらない。
答え ▼
誤り
労基法3条
「その他の労働条件」には解雇・災害補償・安全衛生・寄宿舎等に関する条件も全て含まれる。ただし雇入れ(採用)は含まれない──労基法は「雇われてから退職するまで」を規律する法律であり、入る前の採用には企業の採用の自由の原則が及ぶため。雇入れ以外なら基本すべて労働条件に当たる。
Q2
R元-3ロ|法5条
法5条(強制労働の禁止)の使用者と労働者の労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、事実上の労働関係が存在していると認められる場合であれば足りる。
答え ▼
正しい
労基法5条
5条の適用は使用者と労働者の間に労働関係があることが前提だが、形式的な労働契約は不要で、事実上の労働関係が認められれば足りる。まさに社労士試験の鉄則「実態判断」。
Q3
R2-4ロ|法5条
法5条の「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」の「不当」とは、社会通念上是認しがたい程度の手段をいい、必ずしも不法なものに限られず、たとえ合法的であっても不当なものとなることがある。
答え ▼
正しい
労基法5条
「不当」≠「不法」。不法より概念が広く、合法的なものでも「不当」になり得る。設問どおり。
Q4
R4-4ニ|法5条
使用者の暴行があっても、労働強制の目的がなく、単に怠けたか態度が悪いから殴ったというだけの場合は、暴行罪が成立する可能性はあるとしても、労基法5条違反とはならない。
答え ▼
正しい
労基法5条
5条は強制労働の禁止規定。労働を強制する目的がなければ5条違反にはならない(暴行罪は別途成立し得る)。
Q5
R5-4ハ|法5条
法5条の「監禁」とは、物質的障害をもって一定の区画された場所から脱出できない状態に置くことをいい、物質的障害がない場合には監禁に該当することはない。
答え ▼
誤り
労基法5条
監禁は労働者の身体の自由を拘束することをいい、必ずしも物質的障害は不要。壁などの物理的手段だけでなく、脅しによって脱出できない状態に置くことも含まれる。
Q6
法7条
法7条に基づき労働者が労働時間中に選挙権その他公民としての権利を行使した場合の給与は、有給であろうと無給であろうと当事者の自由に委ねられている。
答え ▼
正しい
労基法7条
公民権行使・公の職務に要する時間を有給にするか無給にするかは当事者間の取り決めによる。働いていない時間に給料を出す義務はない(ノーワーク・ノーペイの原則)。
2

適用関係・定義

5問
Q7
R4-E|法9条
明確な契約関係がなくても、事業に使用され、その対償として賃金が支払われるものであれば労基法の労働者である。
答え ▼
正しい
労基法9条
他人の指揮命令を受けて労働を提供し、その対償として賃金を受けるものは労働者(名称を問わず実態で判断)。ただし「事業又は事務所に使用される」ことが要件で、友人の引越し手伝いで謝礼をもらう等は事業ではないため適用されない。
Q8
R4-1B|法9条
労基法の労働者は民法623条の雇用契約により労働に従事するものが該当し、形式上といえども請負契約の形式を取るものは、実態において使用従属関係が認められる場合であっても労基法の労働者に該当することはない。
答え ▼
誤り
労基法9条
契約の名称が請負・委任であっても、事実上の使用従属関係があれば労働者。社労士試験は形式判断ではなく実態判断(労働者保護のため)。
Q9
R2-1A|法10条
事業主とはその事業の経営主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、株式会社の場合はその代表取締役をいう。
答え ▼
誤り
労基法10条
個人事業は事業主個人だが、会社その他法人の場合は「法人そのもの」(代表取締役ではない)。
💡 「使用者」の3パターン=①事業主 ②事業の経営担当者 ③その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者
Q10
R5-4E|法9・10条
法10条の使用者は企業内で比較的地位の高いものとして一律に決まるものであるから、法9条の労働者に該当するものが同時に法10条の使用者に該当することはない。
答え ▼
誤り
労基法9・10条
労働者と使用者は相対的な概念。ある事項について権限と責任を持てば、その事項に関しては使用者になり得る。例:課長は部長から見れば労働者だが、平社員から見れば使用者側。
Q11
H29-2イ|家事使用人
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事しているものは、法人に使用される労働者であり労基法が適用される。
答え ▼
誤り
労基法116条2項
家族の指揮命令下で家事一般に従事するものは家事使用人であり、労基法は適用除外。ポイントは「誰が指揮命令しているか」──家族の指揮なら家事使用人、事業者の指揮なら労働者。
3

労働契約

8問
Q12
H29-3C|法22条
使用者は、労働者が退職から1年後に、使用期間・業務の種類・その事業における地位・賃金・退職事由について証明書を請求した場合、これを交付する義務はない。
答え ▼
誤り
労基法22条1項
退職時証明の請求権は退職時から2年で時効。1年後なら時効未到来で交付義務あり(遅滞なく交付)。退職日以後なら何回でも請求可、労働者が請求しない事項の記載は禁止。
💡 証明事項の覚え方 「使業地賃退(しぎょうちちんたい)」=使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職事由
Q13
H30-5B|法16条
債務不履行によって使用者が損害を被った場合、現実に生じた損害について賠償請求する旨を労働契約の締結にあたり約定することは、労基法16条により禁止されている。
答え ▼
誤り
労基法16条(賠償予定の禁止)
16条は「賠償額をあらかじめ予定すること」を禁止する規定。現実に生じた損害について賠償請求すること自体は禁止していない。「実損害も賠償できない」という規定ではない。
Q14
H27-3D|法17条
法17条は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することを禁止し、金銭貸借関係と労働関係とを完全に分離することにより、金銭貸借に基づく身分的拘束の発生を防止することを目的としたものである。
答え ▼
正しい
労基法17条(前借金相殺の禁止)
条文の趣旨そのもの。前借金制度そのものを禁止しているのではなく、「前借金と賃金を使用者が相殺すること」を禁止している点に注意。
Q15
R2-ロ|解雇予告
使用者の行った解雇予告の意思表示は一般的には取り消すことができないが、労働者が具体的事情のもとで自由な判断によって同意を与えた場合には取り消すことができる。
答え ▼
正しい
解雇予告の取消
労働者の同意があれば取消可。同意がなければ予告期間満了で当然に解雇となる。判断軸は「労働者保護になっているか」。
Q16
H28-2D|法17条
労働者が実質的に見て使用者の強制はなく真意から相殺の意思表示をした場合でも、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。
答え ▼
誤り
労基法17条
17条が禁止するのは使用者の側で相殺を行う場合のみ労働者が自由意思に基づき真意から相殺に同意した場合は禁止されない(労働者保護になっていればよい)。
Q17
R5-3C|法19条
6週間以内に出産する予定の女性労働者が休業を請求せず引き続き就業している場合は、法19条の解雇制限期間にはならないが、その期間中は女性労働者を解雇することのないよう行政指導を行うこととされている。
答え ▼
正しい
労基法19条/行政通達
19条の解雇制限は「産前産後に休業する期間及びその後30日間」。休業を請求せず就業中なら法的には解雇制限期間ではないが、道義的観点から行政指導の対象(法的拘束力はないが従わないと行政処分等の可能性)。
Q18
R元-4D|法20条
使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならないが、予告期間の計算は労働日で計算されるので、休業日は当該予告期間には含まれない。
答え ▼
誤り
労基法20条1項
30日は労働日ではなく暦日(れきじつ)で計算。途中に休日・休業日があっても延長されない。当日不算入で30日(例:5/31終了で解雇するには遅くとも5/1に予告)。
Q19
H27-3E|法19条
使用者は、労働者が業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、法81条の打切補償を支払う場合、又は天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となりその事由について行政官庁の認定を受けた場合を除き、労働者を解雇してはならない。
答え ▼
正しい
労基法19条(解雇制限)
条文どおりの基本問題。即答できるように。解雇制限期間はもう1つ産前産後休業の期間及びその後30日間。セットで思い出せるように。
4

賃金

10問
Q20
R元-5A|法24条
法24条1項は、賃金は法令に別段の定めがある場合、又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(ない時は労働者の過半数代表者)との書面による協定がある場合には、通貨以外のもので支払うことができると定めている。
答え ▼
誤り
労基法24条1項(通貨払いの原則)
通貨払いの例外は①法令に別段の定め ②労働協約に別段の定め──の2つのみ。設問は「労使協定」となっているが正しくは「労働協約」。労使協定と労働協約の引っかけは頻出。(※銀行振込は通貨払いの例外で、個々の労働者の同意が必要)
Q21
R元-5E|法26条
法26条の休業手当は、賃金とは性質を異にする特別の手当であり、その支払いについては法24条の規定は適用されない。
答え ▼
誤り
労基法26条・11条
休業手当は法11条の「賃金」。したがって賃金支払いの諸原則(24条)が適用され、所定の賃金支払日に支払う必要がある。引っかけ=「休業補償」は賃金に該当しない。休業手当=賃金/休業補償≠賃金。
Q22
H27-2C|法12条
労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うにあたり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。
答え ▼
誤り
労基法12条(平均賃金)
算定すべき事由の発生日は傷病の原因たる事故発生の日、又は診断によって疾病の発生が確定した日死亡した日とは限らない
Q23
R3-3イ|法24条
賃金を通貨以外のもので支払うことができる旨の労働協約の定めがある場合には、当該労働協約の適用を受けない労働者を含め、当該事業場の全ての労働者について賃金を通貨以外のもので支払うことができる。
答え ▼
誤り
労基法24条1項
労働協約で通貨以外の支払いが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働組合の組合員に限られる。労働協約の効果は原則として組合員のみに及ぶ(適用範囲が限定的)。一方、労使協定の効果は全労働者に及ぶ。
Q24
H27-2D|法12条
賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば7月31日に算定事由が発生した時は、なお直前の賃金締切日である6月30日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。
答え ▼
正しい
労基法12条(平均賃金)
算定期間は「事由発生日以前3か月間」=事由発生日の前日から遡る3か月(事由発生当日は含まない)。賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日から計算。7/31発生なら直前締切日6/30から遡る3か月。
Q25
R元-5D|法25条
法25条により労働者が非常時払いを請求しうる事由のうち「疾病」とは業務上の疾病・負傷をいい、業務外のいわゆる私傷病は含まれない。
答え ▼
誤り
労基法25条(非常時払い)
非常時払いの事由は業務上・業務外を問わない。さらに労働者本人だけでなく、労働者の収入によって生計を維持する者が該当事由(出産・疾病・災害等)に遭った場合も含む。すでに働いた分の賃金を繰り上げて支払うもの。
Q26
H27-2A|法12条4項
平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金・通勤手当・家族手当は含まれない。
答え ▼
誤り
労基法12条4項
通勤手当・家族手当は平均賃金の基礎に含まれる。基礎から除かれるのは「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」など。
💡 覚え方 「通貨3臨者で踏まれて、業3産後飼育指数」
● 分子から除く=貨以外/3か月超/
● 分母・分子両方から除く=務上負傷/産後(産前産後)休業/使用者の責めによる休業/児介護休業/試用(=使用)期間
→ 家族手当・通勤手当はここに入っていない=含まれる
Q27
H28-1イ|法11条
労働協約・就業規則・労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされていても、労働者の吉凶禍福に対する使用者からの恩恵的な見舞金は、法11条にいう賃金には当たらない。
答え ▼
誤り
労基法11条
吉凶禍福への恩恵的給付は原則賃金に当たらないが、労働協約・就業規則・労働契約等であらかじめ支給条件が明確なものは「賃金」になる。注意:労働保険徴収法では逆──結婚祝金・死亡弔慰金・災害見舞金は条件が明確でも賃金総額に算入されない。法律ごとに結論が異なる。
Q28
R3-1E|法11条
労働者が法令により負担すべき所得税・社会保険料等を、事業主が労働者に代わって負担する場合、当該代わって負担する部分は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、法11条以上の賃金とは認められない。
答え ▼
誤り
労基法11条
労働者が法律上負う債務を免れることになるため、事業主が代わって負担する部分は「賃金」賃金に該当しない代表例:生命保険料の補助金、解雇予告手当、休業補償費、ストックオプションの利益、チップ。
Q29
R3-4D|法26条
親会社からの資材・資金の供給を受けて事業を営む下請工場において、親会社自体が経営難のため資材・資金の獲得に支障をきたし、下請工場が所要の供給を受けられず、他からの獲得もできないため休業した場合、その事由は法26条の「使用者の責めに帰すべき事由」とはならない。
答え ▼
誤り
労基法26条(休業手当)
親工場の経営難による下請工場の休業も「使用者の責めに帰すべき事由」に該当し、休業手当の支払いが必要。「使用者の責め」は広く解される。休業手当が不要なのは天災事変等の不可抗力、正当なストライキ、急な停電など、使用者に責任が全くない場合のみ。
5

労働時間・休憩・休日

7問
Q30
H30-1イ|法32条
貨物自動車に運転手が2人乗り込んで交代で運転に当たる場合において、運転しないものについては、助手席において仮眠している間は労働時間としないことが認められている。
答え ▼
誤り
労基法32条
労働=使用者の指揮監督下にあること(現実に活動していなくてもよい)。交代要員として待機する時間は「手待ち時間」であり労働時間。昼休み中の来客・電話当番の待機時間も同様に労働時間。
Q31
H28-4D|法32条の5
いわゆる1週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業・旅館・料理店・飲食店の事業の事業場、又は常時使用する労働者の数が30人未満の事業場の、いずれか1つに該当する事業場であれば採用できる。
答え ▼
誤り
労基法32条の5
採用要件は「いずれか1つ(OR)」ではなく「両方(AND・かつ)」。①小売業・旅館・料理店・飲食店であり、かつ ②常時使用労働者30人未満。
💡 覚え方 「1週間、小旅行で飲料30mlのみ」
「小旅行」=売業・館(旅行業ではない!)/「飲料」=食店・理店/「30mlのみ」=30人未満
Q32
R4-B|法32条の2
いわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結して採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ない時は、1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
答え ▼
誤り
労基法32条の2第1項
採用要件は「労使協定の締結 又は 就業規則等への定め」。届出は必要だが届出は効力発生要件ではない(労使協定締結時点で効力発生)。引っかけ=36協定は届出が効力発生要件
Q33
R4-3C|法32・36・37条
労働者が遅刻をし、その時間だけ通常の終業時刻を繰り下げて労働させる場合に、1日の実労働時間を通算すれば法32条又は40条の労働時間を超えない時は、36協定及び37条の割増賃金支払いの必要はない。
答え ▼
正しい
労基法32・36・37条
遅刻分を繰り下げても1日の実労働時間が法定労働時間を超えなければ割増賃金は不要。形式判断ではなく実態判断
Q34
R2-6C|法36条3項
法36条3項の限度時間は1か月45時間・1年360時間、対象期間として3か月を超える期間を定めて1年単位の変形労働時間制により労働させる場合は1か月42時間・1年320時間とされている。
答え ▼
正しい
労基法36条3項(限度時間)
原則月45時間・年360時間。3か月超の1年単位変形労働時間制では月42時間・年320時間とより厳しく設定(労働者にとって過酷になりやすいため)。数字は頻出
Q35
R5-2エ|法34条
「6時間を超える場合においては少なくとも45分」とは、1勤務の実労働時間の合計が6時間を超え8時間までの場合はその労働時間の途中に少なくとも45分の休憩を与えなければならないという意味であり、休憩時間の置かれる位置は問わない。
答え ▼
正しい
労基法34条1項
休憩を労働時間の始め・終わりに与えるのは違反だが、設問は「労働時間の途中に」が前提になっている。途中に与えるなら具体的な位置は問わない。設問文の「途中に」を見逃さないこと。
Q36
R元-6C|法38条の2
いわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
答え ▼
正しい
労基法38条の2第3項
事業場外みなしの労使協定は原則届出が必要だが、定める時間が法定労働時間以下なら届出不要対比:専門業務型裁量労働制の労使協定は、法定労働時間を超えない場合でも届出が必要。両者の違いを区別する。
6

年次有給休暇

2問
Q37
R3-2E|法39条
法39条に従って労働者が日を単位とする有給休暇を請求した時、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。
答え ▼
誤り
労基法39条
日単位→時間単位、時間単位→日単位への変更は時季変更権に当たらず認められない(権限の逸脱)。労働者の解雇予定日を超えての時季変更も不可。
Q38
R5-7D|法39条5項
勤務割による勤務体制が取られている事業場において、使用者として通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置されない時は、「事業の正常な運営を妨げる場合」に当たるということはできない、とするのが最高裁判所の判例である。
答え ▼
正しい
労基法39条5項(時季変更権)
勤務割を変更して代替勤務者を配置できるのに、休暇目的を考慮せず配慮をしないまま時季変更権を行使することは許されない(最高裁判例)。「事業の正常な運営を妨げるか」は厳密に判断される。
7

年少者

2問
Q39
H30-1エ|法60条
使用者は、法56条1項の最低年齢を満たしたものであっても満18歳に満たないものには、法36条の協定によって時間外労働を行わせることはできないが、法33条の定めに従い災害等による臨時の必要がある場合に時間外労働を行わせることは禁止されていない。
答え ▼
正しい
労基法60条・33条
33条(災害等による臨時の必要)は年少者にも適用され、時間外・休日労働をさせることができる。補足:民間企業の年少者は33条で深夜業まで可だが、公務員の年少者は時間外・休日労働は可だが深夜業は不可
Q40
H29-7B|法57条
使用者は、児童の年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けることを条件として、満13歳以上15歳未満の児童を使用することができる。
答え ▼
誤り
労基法57条
児童を使用するには戸籍証明書だけでなく、①修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書 ②親権者又は後見人の同意書も事業場に備え付けが必要。年少者は戸籍証明書だけでOKだが、児童はそれだけでは足りない
8

妊産婦等

5問
Q41
R3-6A|法65条
法65条の「出産」の範囲は妊娠4か月以上の分娩をいうが、1か月は28日として計算するので、4か月以上というのは85日以上ということになる。
答え ▼
正しい
労基法65条
1か月=28日で計算(28×3か月=84日、4か月以上はそれを超える=85日以上)。出産には生産だけでなく流産・死産・妊娠中絶も含む
Q42
R3-6D|法65条1項
6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性労働者については、当該女性労働者の請求が産前休業の条件となっているので、当該女性労働者の請求がなければ法65条1項による就業禁止に該当しない。
答え ▼
正しい
労基法65条1項(産前休業)
産前6週間(多胎14週間)は「請求」が条件──請求がなければ就業禁止に該当しない(妊婦の個人差が大きいため)。対比:産後6週間は請求の有無にかかわらず絶対に就業させてはならない。産後6週間経過後は、本人が請求し医師が支障なしと認めた業務に限り就業可。
Q43
H29-7D|法66条
使用者は、すべての妊産婦について、時間外労働・休日労働又は深夜業をさせてはならない。
答え ▼
誤り
労基法66条
正しくは「妊産婦が請求した場合においては」時間外・休日労働・深夜業をさせてはならない。一律禁止ではなく、本人の請求が要件「すべての」など強調語が入ると×になりやすいのも要注意。
Q44
R2-3E|女性則2条
使用者は、産後1年を経過しない女性が、動力により駆動される土木建築用機械の運転の業務に従事しない旨を使用者に申し出た場合、その女性を当該業務につかせてはならない。
答え ▼
正しい
女性労働基準規則2条11号
産婦に禁止されるのは有害業務・重量物業務・母性に影響のある振動業務など。ボイラー・土木建築用機械の運転等は本人の申し出により禁止
Q45
R3-6E|法65条3項
法65条3項は、原則として妊娠中の女性が請求した業務に転換させる趣旨であるが、新たに軽易な業務を創設して与える義務まで課したものではない。
答え ▼
正しい
労基法65条3項(軽易業務への転換)
設問どおり。新たに軽易業務を創設する義務まではない。なお軽易業務への転換は「妊婦」のみ(産後1年を経過しない産婦は対象外)。この転換規定は法41条該当者(管理監督者)にも適用される。
9

就業規則

4問
Q46
R3-7D|法91条
就業規則中に「戒告を受けた場合は昇給させない」という欠格条件を定めることは、法91条に違反する。
答え ▼
誤り
労基法91条(制裁規定の制限)
「昇給させない」は減給の制裁には該当しないので違反しない。減給の制裁=必要以上に給料を減らすこと。出勤停止期間中に賃金を受けられないことも、制裁としての当然の結果で減給の制裁には当たらない。
Q47
R2-7E|法91条
労働者が遅刻早退をした場合、その時間に対する賃金額を減給する際も、法91条による制限を受ける。
答え ▼
誤り
労基法91条
遅刻早退で労働の提供がなかった時間分の賃金を差し引くことは、単なる賃金計算の方法であって減給の制裁ではないため91条の制限を受けない。
Q48
R2-7D|法89条
1つの企業が2つの工場を持っており、いずれの工場も使用している労働者は10人未満であるが、2つの工場を合わせて1つの企業として見た時は10人以上となる場合、2つの工場がそれぞれ独立した事業場と考えられる場合でも、使用者は就業規則の作成義務を負う。
答え ▼
誤り
労基法89条
「常時10人以上」は事業場単位で判断。独立した事業場と考えられるなら、各々10人未満で作成義務を負わない。補足:同一事業場でパート用の別就業規則を作る場合、本則とパート用を合わせたものが89条の就業規則となる。
Q49
H27-7C|法90条1項
法90条1項が就業規則の作成・変更について、当該事業場の過半数労働組合(ない場合は労働者の過半数代表者)の意見を聴くことを使用者に義務づけた趣旨は、使用者が一方的に作成・変更しうる就業規則に労働者の団体的意思を反映させ、就業規則を合理的なものにしようとすることにある。
答え ▼
正しい
労基法90条1項(意見聴取)
意見聴取の趣旨どおり。労働者側の「同意」までは不要(あくまで意見書)。反対意見でも意見書を添付すれば作成・変更は可能。会社のルールブックなので使用者主導になる。
10

雑則・罰則

1問
Q50
R2-2A|法106条
法106条により使用者に課せられている法令等の周知義務は、労基法・労基法に基づく命令・就業規則については、その要旨を労働者に周知させればよい。
答え ▼
誤り
労基法106条(周知義務)
労基法及びこれに基づく命令は「要旨」でよいが、就業規則・労使協定・労使委員会の決議・寄宿舎規則等は「全文(要旨では足りず)」が必要。設問は「就業規則についてはその要旨を周知させればよい」が誤り。

🏁 横断まとめ(特に間違えやすいポイント)

📌 講師より:これは「これだけは外さないで」という50問。×の問題は「どこがどう違うから×か」を声に出して、何度も繰り返し学習を。1問1答に慣れたら本試験形式の5肢択一で相対的判断力を鍛えましょう。